出版社内容情報
野生動物のロードキル問題とはなにか。最前線に立つ研究者たちが普通種から絶滅危惧種、さらに外来種まで、その実態を詳細に紹介し、今後の対策について展望する。野生動物の保護管理担当者、ロードキル問題に携わる道路関係者や行政担当者の必携書。
目次
「ロードキル」という悲劇―ワイルドライフマネジメントの今日的課題
第1部 ロードキル問題とはなにか(ロードキル問題の歴史的背景;道路による野生動物への生態学的影響)
第2部 ロードキルに遭う動物たち(エゾシカ―大型動物のロードキル;キタキツネとエゾリス―普通種のロードキルとその対策;タヌキ―ロードキルの5W1H ほか)
第3部 ロードキルをどう防ぐか(ロードキルデータの現状と課題;ロードキル個体の防疫対応と疫学への応用;ロードキルの防止と抑制対策 ほか)
これからのロードキル問題―道路生態学への応用
著者等紹介
柳川久[ヤナガワヒサシ]
1959年山口県に生まれる。現在、帯広畜産大学畜産学部環境生態学分野教授、農学博士。専門は野生動物の保全管理
塚田英晴[ツカダヒデハル]
1968年岐阜県に生まれる。現在、麻布大学獣医学部動物応用科学科教授、博士(行動科学)。専門は動物行動学・野生動物の保全管理
園田陽一[ソノダヨウイチ]
1976年群馬県に生まれる。現在、国際産業技術専門学校副校長・明治大学大学院兼任講師、博士(農学)・博士(社会工学)。専門は道路生態学・生態工学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ろべると
8
野生動物が道路で命を落とすのは、当然ながら我々人間に責任がある。本書は多くの研究者がそれぞれの立場から分担執筆した専門書である。対象はエゾシカから野ネズミまで幅広く、ツシマヤマネコやアマミノクロウサギなど希少種もあるが、全体に被害数は徐々に減ってきているようだ(エゾシカは個体数の増加とともに増えてる)。道路に侵入させないとともに、安全に横断できる道を作って誘導することが効果的なのだろう。研究者なので皆さんデータ取得の重要性を強調するが、個人の研究はともかく、状況の把握と効果的な対策に繋がるなら良いだろう。2025/06/27