出版社内容情報
豊島漁民の船世帯民が以前の家船の「残存」ではなく,むしろ近代以降あたらしく「出現」し,現在もなおその多くが伝統的漁法や船世帯生活を続けていることを可能とした背景・条件は何であろうか.「近代的家船」出現の歴史的過程や適応戦略を実証的に検証する.
内容説明
一方でかつての家船がすべて「陸地定着」し、伝統的な生活様式を放棄したにも関わらず、他方で豊島の家船漁民が近代以降新しく「出現」し、現在もなおその多くが先端テクノロジーを駆使しながらも家船生活を続けていることを可能とした背景・条件は果たして何であろうか。そして、彼らによる現代における「家船生活」とは果たして如何なるものであろうか。彼らの出現の歴史的過程と現代社会における様々な適応戦略を実証的に検討することで、このような疑問を究明してみることが本書の目的である。
目次
第1部 近代国家と漁民:「近代的家船」の出現に関する考察(家船再考;豊島漁民における「近代的家船」の出現;豊島漁民における「家船漁業」の発展)
第2部 現代に生きる海の民:適応戦略の分析(船に住む豊島の漁民;「近代的家船」における伝統的「わざ」と先端科学テクノロジーの併用;結論)
著者等紹介
金柄徹[キムビョンチョル]
1965年釜山に生まれる。1989年JSA(板門店共同警備区域)にて兵役終了。1991年ソウル大学校人類学科卒業。1999年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。現在、亜細亜大学国際関係学部助教授、博士(学術)。専攻は文化人類学
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