内容説明
不確かな「子ども」像と、そして「大人」の姿…「ふつう」の人生が思い描けなくなったいま、心理、社会、歴史から、思春期、学校をとらえなおし援助のありかたをさぐる。
目次
第1部 社会の中の「子ども」(「子ども」と「大人」;「子ども」の誕生と消滅;日本社会の「子ども」と家族をめぐる問題;子どもと学校をめぐる状況;「子ども」と「大人」の年齢区分)
第2部 子どもの発達(「生まれか育ちか」―遺伝―環境論争再考;発達をめぐる人間観;子どもの心理発達1(乳幼児期まで)
子どもの心理発達2(児童期から思春期まで;思春期再考)
第3部 学校教育と思春期援助論(日本の学校教育;初等教育まで;中等教育;思春期の子どもたちに『如何に』向き合うか;フィールドバックの重要性・実践に学ぶ)
著者等紹介
保坂亨[ホサカトオル]
1956年東京に生れる。1983年東京大学大学院教育学研究科第1種博士課程退学。東京大学学生相談所相談員などを経て、千葉大学教育学部教授。博士(教育学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うずまきねこ
3
身体の成長が急激にくるため(発達加速化現象)、精神が追いつかないまま前思春期を脱してしまうということが、近年見られる傾向の説明としてスッキリしました。その期間で発達段階に大切な事象が経験できないと、やはり人格形成に影響があるみたいです。最近よく話題となる「少年犯罪」に関する記述もあり、興味深く読むことができました。上手くフィードバックを利用し、子どもたちとどう付き合っていくかを改めて考えてみる必要がありそうです。2015/03/01
qualia
1
思春期を賦活するというのではなく、外から眺めるような、しかし血の通っている研究というか。自分が思春期の中にいる人をどう理解することができるか、ということへの手がかりを与えてくれる本です。2010/05/29