出版社内容情報
我々の社会に各種の便益を提供している技術システムは、どのようなメカニズムで過去から未来へと進化していくのかを、新幹線をケーススタディとして検証する。戦前の弾丸列車構想や、戦後の国鉄の労使問題などから、社会や組織が技術システムに与える影響を解き明かす。
【目次】
序章:技術システムとはなにか
第Ⅰ部:本書の目的・位置づけ
第1章:技術の進化に関わる先行研究の検討と本研究のフレームワーク
第2章:国有鉄道と鉄道技術の概要
第Ⅱ部:広軌の実現をめぐる鉄道の進化
第3章:狭軌・広軌改築の論争
第4章:弾丸列車計画
第5章:戦後の新幹線計画と広軌の実現
第Ⅲ部:速度をめぐる新幹線の進化
第6章:環境問題・労働組合問題による新幹線の速度向上の停滞
第7章:組織の支持率と新幹線への資源動員
補論:民営鉄道・公営鉄道の要素技術開発とその普及・採用
終章:技術システムにおける継承と選択の組織メカニズム