出版社内容情報
日本経済は長きにわたるデフレの後、現在は物価の上昇に見舞われている。日本の物価・資産価格(地価・株価)に焦点を絞り、その価格形成のメカニズムの解明から、今後、人口減少・高齢化社会を迎える日本経済が抱える課題とその解決策を模索する。
目次
第1部 物価(日本の価格硬直性―屈折需要曲線による説明;貨幣量と物価の関係―日米データに基づく検証;「アウトプット型」建築物価指数の有効性―市場取引価格の反映による景気評価への影響;消費者物価指数の精度向上に向けて―長期にわたり積み残されている課題の再検討;円ドルレートと日本の物価の相互作用―エラーコレクション型のVARモデルを用いた推計;限界家賃指数の推計―消費者物価指数の改善に向けて;年齢構造の変化とインフレ率―国際パネルデータによる検証)
第2部 資産価格(日本の不動産価格決定メカニズム―マイクロストラクチャと価格指数;地価とファンダメンタルズ―均衡価格からの乖離要因;日本の株式市場の分散リスクプレミアム―景気に対する予測力について実証分析;高齢化・人口減少と地価・物価―長期のポートフォリオ選択における土地と貨幣;安全資産膨張のマクロ経済学―日本の長期停滞と経済政策の効果;不動産市場の持続可能性―環境配慮型建築物は経済プレミアムを持つのか?;総括「日本の株価・地価」から「日本の物価・資産価格」へ―西村清彦教授インタビュー)