出版社内容情報
資金過剰な銀行システムが経済的弊害をもたらすメカニズムに焦点をあて,過大な銀行部門が,日本において1980年代にバブルを生み出し,90年代には不良債権問題の長期化を下支えしてきた実態とその要因を,新しいマクロ経済理論分析から解明.
内容説明
1980年代にバブルを生み、90年代に不良債権問題の長期化を許してきたメカニズムはいかなるものか。危機にある日本経済の構造的問題の本質をとらえる新しいマクロ経済理論。
目次
第1部 資産価格と金融危機(資産価格の暴落と金融危機;不動産貸出ブームと金融危機)
第2部 新しい金融仲介理論の展開(不完全資本市場と金融仲介理論;リスク分散不能なマクロショックと銀行の資本構成)
第3部 不良債権問題とオーバーバンキング(BIS規制、会計制度、「追い貸し」;不良債権問題の一般均衡アプローチ;過大な銀行部門と経済成長の鈍化)
第4部 金融システムと経済成長(土地担保融資と経済成長;金融システムの選択と経済成長)
第5部 国際資本移動と経済発展(資本市場開放のタイミングと経済発展;金融システムの効率性と国際資本移動)
著者等紹介
桜川昌哉[サクラガワマサヤ]
1959年福井県生まれ。1984年早稲田大学政治経済学部卒業。1991年大阪大学大学院経済学研究科後期博士課程単位取得退学。同年大阪大学経済学部助手。現在、名古屋市立大学大学院経済学研究科教授。経済学博士
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