出版社内容情報
一党優位支配が崩壊し、新たな体制へと移行した現代インドの政治変動を鮮やかに描き出す。
暴力が政治変動に及ぼす影響はどのようなものか――一党優位支配が崩壊し,カースト・アイデンティティやヒンドゥー・ナショナリズムを基盤とする政党が主導権を握る過程を独立後の政治史のなかで描き出し,21世紀の大国インドのダイナミズムに迫る.
はしがき
第一章 暴力と民主主義
第二章 会議派支配の展開
第三章 後進カーストの不満
第四章 豊かになる後進カースト
第五章 宗教と暴動
第六章 分水嶺としての1989年下院選挙
第七章 競合的多党制の成立
終章 アイデンティティの政治と暴力
あとがき
【著者紹介】
中溝和弥:京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科特任准教授
目次
第1章 暴力と民主主義
第2章 会議派支配の展開
第3章 後進カーストの不満
第4章 豊かになる後進カースト
第5章 宗教と暴動
第6章 分水嶺としての1989年下院選挙
第7章 競合的多党制の成立
終章 アイデンティティの政治と暴力
著者等紹介
中溝和弥[ナカミゾカズヤ]
1970年福岡県に生まれる。1993年東京大学法学部卒業。2003年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学。博士(法学)。現在、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科客員准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mittsko
6
現代インドを論じた政治学博論を大幅改編して書籍化。政治史記述と現地調査のクロスオーバーが特徴で、ビハール州が主な調査地。会議派一党優位体制(自民党体制と比較されるのがつね)の崩壊⇒カーストや宗教にもとづくアイデンティティ政党の台頭、そして、民主的手続きが維持されるなか巨大な暴力が続々と噴出するインドの政治社会の現状、それはなにゆえか、と著者は問う。著者が出した答えは、農村社会の変容と暴動、およびカースト・宗教アイデンティティの相互作用。超力作!なお、集約的な後進カースト論にもなっており、日本語では大変貴重2020/01/21
可兒
2
一党制からの離脱に最近興味があったので2016/06/30
こひた
1
佐々井秀嶺さんについて聞いて以来、インド政治に興味があり読了。ビハール州での定点観測から、生産力や労働集約とカースト・宗教アイデンティティ集団の行動変化を分析し、多政党化動向と1989年からの暴力への対処をさぐる。2012/03/26