平安朝の漢詩と「法」―文人貴族の貴族制構想の成立と挫折

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  • サイズ A5判/ページ数 493,/高さ 23cm
  • 商品コード 9784130361224
  • NDC分類 919.3
  • Cコード C3032

出版社内容情報

菅原道真ら平安前期の文人貴族が残した漢詩を,当時の法のテクストと対照させ読み解いたとき,挫折を余儀なくされた彼らの統治構想が鮮かに浮かび上がる.律令制とも摂関体制とも異なる“真の貴族制”という,その構想の可能性を明らかにし,時代の転轍の意味をも書き換える大作. 第4回天野和夫賞受賞

目次

第1章 平安前期の漢詩文学と宮廷社会―道真以前(文学に関する先行研究と本章の手法;宮廷社会の形成―弘仁・天長期 ほか)
第2章 平安前期の「法」と社会(「法」に関する先行研究と本章の手法;格の編纂 ほか)
第3章 文人貴族の支配体制構想―菅原道真と三善清行(文人貴族の政治思想に関する先行研究と本章の手法;詩人による政治―菅原道真の構想 ほか)
第4章 文学と「法」にみる摂関期の貴族制(摂関期の貴族制に関する先行研究と本章の手法;文学にみる宮廷社会の変容 ほか)

著者等紹介

桑原朝子[クワハラアサコ]
1997年東京大学法学部卒業。北海道大学大学院法学研究科助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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フクロウ

2
法を基礎づけるメンタリティを文学史料の分析から解明することを目的に、平安前期をターゲットに、藤原氏を代表とする血統貴族と対抗関係にあった、菅原道真を代表とする文人貴族のメンタリティを分析する。道真の政治構想は、詩を読む能力(による天皇や摂政批判と、その批判による瞬間的平等の実現)と統治実務(法解釈)能力を持つ中央の貴族と、そこと明確に分節された在地社会からなる、言ってしまえば都市・領域二元構想であったが、政治抗争に敗れ太宰府に左遷された。2024/05/22

YY

0
菅原道真を核に、漢詩と政治、とりわけ貴族制の在り方について論じる。漢詩の在り方の分析が見事に政治の在り方とリンクさせられている。これは素晴らしいが、道真の貴族制構想について、道真に勝手に木庭顕を憑依させているのはいかがなものか。木庭系の思考と、突如現れる石井―新田系列の思考がありありと見える。ちょっとオエっとなるところもあるが、総じて面白い論文。2012/09/19

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