出版社内容情報
アメリカにおいて司法はどのような役割を果しているのか.最新のデータを参照しながら,連邦と各州の司法システムの動向を把握し,その多面的全体像を明らかにしていく.現代アメリカの司法を理解するための基本書.法律専門家のみならず,翻訳メディア関係者にも必携の書.
内容説明
本書では、司法がアメリカ社会の中でどのように位置づけられるか、そして司法が日常どのように運営されているのか、について具体的データを提示しつつ探求してゆく。ただし実証的データを単に集積するのではなく、多面性あるアメリカ社会に対する著者の認識を背景に、そのデータを説得力ある全体像に組み立てようとするものである。
目次
序章 アメリカ司法をめぐる視点(連邦制;地方主義 ほか)
第1章 裁判所(連邦裁判所;インディアンに関わる裁判所 ほか)
第2章 裁判官(連邦裁判官;州裁判官)
第3章 弁護士(概観;資格付与 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けふたろ
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浅香先生は講義でも関係詞を訳したような話し方をしばしばする。それは英語ばかり読んでいるからかも知れないし、思い出したような調子であることも多いから、単に後から付け加えた結果なのかも知れない。ともかく、この本もまたそういう調子――つまり、関係詞を訳したような――で書かれ、やや読みにくい嫌いがある。特に裁判所の箇所は、内容の複雑さもあり難読であろう。反面で、その論ずるところは説得的であり、また講義・著書共に学生の興味を引く内容である。特に弁護士に関する部分は面白く読めるのではなかろうか。2013/08/22
偽教授
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法曹一元についての記述のみパラ読み。英国とアメリカでもだいぶ違うし、アメリカでも州によっていろいろ違う。英国では法曹家の最高のステータスが裁判官だが、アメリカでは下手な裁判官より売れっ子の弁護士の方が儲かるので、裁判官を経てまた弁護士に戻るということもあるようだ2012/01/10
ただの人間
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裁判所、裁判官、弁護士を中心にアメリカの司法制度を論じる。連邦と州の住み分け、州ごとの違い(第一審裁判所がSpreme Courtという名の州も!)を前提にしつつも、裁判所や裁判官、弁護士といった法律家が社会の中でどのような役割を果たしているかを取り上げる。20年以上前の書籍だが、弁護士業界の状況に関しては現代日本と近しいのではないかという印象も受けた2020/11/30