出版社内容情報
援助の現実においては,供与側や受け手の意図が完全に実現することはない.援助は常に背景の政治,予期せぬ課題などの力学にぶつかって変わり,「つくられてゆく」.ではそこで「よい援助」とはどのように可能なのか.批判を受けた事例をも再訪しつつ,国際協力の語り方を大胆に再編する試みの書.
内容説明
「問題案件」の追跡から、ODAを生き物として再構築する。自立への開発協力は正しかったのか?「可能性としての依存」が塗り替える戦後援助史。“いまだ語られざる”アジア・世界の中の日本近現代のあゆみ。
目次
開発協力を引き出す力
第1部 走り出す経済協力―1954年‐65年前後(自立の夜明け―戦後日本を東南アジアに押し出した力;開発の東南アジア―援助の受け入れ体制はどうつくられたのか;逆風の現場―信頼が国境を越える条件は何か)
第2部 経済協力から開発援助へ―1966‐89年前後(後発援助国への圧力―日本はなぜ「援助大国」になれたのか;権威主義体制の援助吸収―援助は東南アジア諸国家に何をしてきたのか;続出するODA批判―「問題案件」はなぜある時期に集中したのか)
第3部 開発援助から開発協力へ―1990年代から現在(開発協力と「人間」の発見―日本のODAは人間をどのように見てきたか;塗りかわる援助地図―新興ドナーは伝統ドナーに置きかわるか;「問題案件」のその後―軌道の変化をもたらしたのは何か)
開発協力が促す力
著者等紹介
佐藤仁[サトウジン]
東京大学東洋文化研究所新世代アジア研究部門教授。1968年生まれ。ハーバード大学ケネディ行政学大学院修士課程修了、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、博士(学術)。東京大学大学院新領域創成科学研究科准教授などを経て現職。プリンストン大学東アジア学部・客員准教授、同大学国際政策大学院客員教授などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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