出版社内容情報
多様な言語や文化,社会が息づく地域・中東をわたしたちは,地政学的な観点で統一して呼称し、単一的に見続けてきたいのではいか? 本書は中東の各地に息づいてきた多様性を示すことで,中東理解に新しい光を当て、新たなる視点で「中東」を再発見する。中東理解の新たなる展開。
目次
1 つなぎ、紡ぐ(「アレッポ人」と「ダマスカス人」からセファルディ系へ―中東から南米に移住したユダヤ人;「飛び去ったもの」の記憶―2011年以降出国シリア人作家の表現;ムスリム知識人が問うアラブ世界の近代―イスラーム諸学の復興とヒューマニズムをめぐる挑戦)
2 過去の地層を巡る(中東のキリスト教遺産―古代のイスラームのはざまの聖墓崇敬;中世イスラムの食卓;イランの俗信の流儀)
3 形づくる(アレヴィーと遺産;ガルダイアとジェルバ島のイバード建築―ル・コルビュジエ「ロンシャン礼拝堂」に舞い降りたインスピレーション;現代オマーンにおける文化遺産政策の展開)
4 引き継ぎ、広げる(アラビア語圏における国際法受容の初期段階―アラビア語国際法関連書籍の出版と私人による国際法知識の利用;アメリカでイスラームの伝統を学ぶ―スンナ派伝統主義の新たな展開;パレスチナ人にとっての遺産とアイデンティティ―忘却と変容の75年)
著者等紹介
高橋英海[タカハシヒデミ]
東京大学大学院総合文化研究科教授
鈴木啓之[スズキヒロユキ]
東京大学大学院総合文化研究科スルタン・カブース・グローバル中東研究寄付講座(中東地域研究センター)特任准教授
宇田川彩[ウダガワアヤ]
東京理科大学教養教育研究院講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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