出版社内容情報
本書は,第二次世界大戦後に日本で実施された選挙のうち,衆議院議員を選出する総選挙を計量的に分析した,初めての本格的な通史である.総選挙に関する豊富なデータを提供し,終戦直後から現在にいたる民意の変遷と政党の興亡のドラマを描き出す.
目次
第1章 敗戦直後の総選挙
第2章 自民党優位期の総選挙
第3章 保革伯仲期の総選挙
第4章 保守復調期の総選挙
第5章 政権交代の総選挙―1993年7月総選挙(第40回)
第6章 連立政権期の総選挙
第7章 中選挙区制下の総選挙
著者等紹介
田中善一郎[タナカゼンイチロウ]
1946年東京都に生まれる。1969年東京大学法学部卒業。東京工業大学社会理工学研究科教授
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感想・レビュー
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けーすけ
1
包括的に検討されていて、とても良かった。 戦後政治の表層で見られた流れを分かりやすく描いている。2021/02/02
鳥山仁@『純粋娯楽創作理論 第二章』発売
0
知人から紹介されて読んだのだが、この本のお陰で日本の選挙における特質が理解できたと言っても良いぐらいの名著だった。中選挙区という名の大選挙区制で、社会主義政党がついに「地盤」を確保できなかったことが数字で理解できる。革新系の市長、区長が長期政権を築いているケースを鑑みるに、誰が悪かったのかは一目瞭然だろう。今でも反省している様子が見られないのには憤りしか感じないが。2016/01/02
麦茶
0
相関係数などの図表を豊富に用いた分析が『魅せてくれる』本であった。投票行動の分析のためのカテゴリーには主に都市化の度合いと降雨の有無、そして当選順位を用いており石川真澄氏の分析も積極的に引用してた。個人的には70年代後半以降一時的な政治倫理による落ち込みや自民党と分裂こそあれどイデオロギー的な分裂はむしろ収斂されていって「総保守」の増大が進んだという見解に興味を惹かれた2022/12/15