出版社内容情報
グローバル市場の競争に勝ち残ろうとする現代都市,それは魅力的な都市なのだろうか? 本書はポスト・フォーディズム時代に,大都市化する都市に対して,歴史と人びとの知恵によって,魅力的な都市であり続けている地中海都市を渉猟し,新時代の都市のあり方をめぐって新たな都市論を展開する.
目次
地中海から現代都市を問う―俗都市化の陥穽を超えて
1 タラゴナ―古代ローマの都に積もる時間(都市空間に刻まれた編集の履歴―タラコとタラゴナの対話;時空を繋ぐ都市の建築―市民の財産としての遺構結ばれる物質世界と心象世界―都市イメージを創造する人びと)
2 カリアリ―地中海の十字路に生きる都市(開かれたロカリティの世界―サルデーニャ島カリアリの都市文化;街路と広場に紡がれる文化―日常性のなかで共有される経験;聖なるものが運ぶ土地の縁―舞台の向こうに広がる世界)
3 サンティアゴとセビリャ―カトリックとイスラームの遺産(古い都市の器を使う知恵―巡礼都市サンティアゴ・デ・コンポステラ;交差する歴史都市の知覚と表象―多面体としての都市の凝集力;都市をわがものとする迷路の経験―地中海と大西洋に開かれたセビリャ)
4 共同空間がいきる地中海都市―人と都市を繋ぐ政策実践(「らしさ」を支える舞台づくり―商都再生に向けたレウスの政策選択;事業者がつくる界隈―カンブリルスの歴史地区と港地区;進化するニュータウン―更地から生まれたアルボレアとカルボニア)
地中海から開く都市論の地平―時空の交わりから構想する都市
著者等紹介
竹中克行[タケナカカツユキ]
東京大学大学院総合文化研究科博士課程満期退学、博士(学術)。現在、愛知県立大学教授/地理学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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