目次
世界史における南蛮貿易の位置
第1部 一六世紀の東アジア海域とポルトガル人(南蛮貿易前史―マラッカ以東ポルトガル人の私貿易活動;南蛮貿易の起源―個人海商たちの海;南蛮貿易の構造と輸出入品―商品リストの分析から)
第2部 南蛮貿易の資本(南蛮貿易と長崎商人―投資・出資の構造;マカオ社会と南蛮貿易―「海上貸付」負債問題を中心に)
第3部 商人と宣教師(マカオの宗教権力―南蛮貿易時代の聖パウロ学院の役割;禁教後のイエズス会貿易;寛永時代の長崎―パウロ・ドス・サントス事件)
聖と俗が交錯する南蛮貿易の終点
著者等紹介
岡美穂子[オカミホコ]
1998年大阪外国語大学外国語学部卒業。2003年京都大学大学院人間環境学研究科博士課程修了。2005年リスボン新大学客員研究員。現在、東京大学史料編纂所助教、博士(人間環境学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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in medio tutissimus ibis.
1
明末のマカオが大体ロアナプラ。中国に間借りしてるポルトガル人居住地だけど、冒険商人というヤクザが仕切ってて、本国の支配は全然及んでいなくて、その紐付きの教会が顔役やってる。なんなら上司に捨てられた日本人サラリーマンも幾らもいそう。そして登場人物ほぼ全員悪人。鉄砲と紐づいてたからか南蛮貿易といえば硝石も商ってたイメージがあったけど、ほぼ金と生糸と絹だったよう。宣教師は嵩張るもの扱うと儲かっても金の無心が飛んでくるから利益にならない、みたいな苦労話満載の金庫番の血と汗と涙で書かれた申し送りが滅茶苦茶面白い。2022/12/07