出版社内容情報
寧波から博多、沖縄、そして平泉へ――多彩なテーマが海域交流のダイナミズムと「日本文化」の形成過程を浮かびあがらせる。
寧波を出航した文化の種子は,博多や沖縄に上陸し,平泉にまでいたる各地ではぐくまれ花ひらかせてきた.造船技術,祭礼,絵画など多彩な素材を連ねることで,「日本文化」の形成過程と,海を越え,時代を越えた交流の全体像を浮かびあがらせる.
プロローグ 異文化を咀嚼しつづけた先人たち
第I部 寧波からの出航
一 海路をはさんで向かいあう海と川の港町
二 中国古伝承のなかの海
三 一五世紀寧波が見た東アジア絵画
四 一六―一七世紀の中国沿海の海禁
五 満洲人の北京
六 イギリスから眺めたアジアの都市
第II部 玄界灘の潮風
一 戦国大名と海・船・交易
二 両浙地域の仏教と日本
三 建盞から天目へ
四 長崎唐通事と読書
五 沖縄マーラン船を科学する
第III部 吾妻路の面影
一 日本に庶民の学校ができるまで
二 朱舜水の語った中国の科挙制度
三 江戸時代和文の生みの親
四 尾張徳川公の愉しみ
五 その物語は海域を越えて
第IV部 雪降る金色堂
一 発掘された古代の書物
二 哭き祭の音風景
三 平泉と東アジア海域交流
海域の“みちのく”、そしてその先へ
【著者紹介】
小島 毅
小島 毅:東京大学大学院人文社会系研究科教授
内容説明
寧波を出航した文化の種子。博多や沖縄に上陸し、平泉にまでいたる各地ではぐくまれ、花ひらかせてきた。海と時代を越えた、交流の全体像を描く。
目次
第1部 寧波からの出航(海路をはさんで向かいあう海と川の港町―博多と寧波;中国古伝承のなかの海 ほか)
第2部 玄界灘の潮風(戦国大名と海・船・交易;両浙地域の仏教と日本 ほか)
第3部 吾妻路の面影(日本に庶民の学校ができるまで―閑谷学校の場合;朱舜水の語った中国の科挙制度 ほか)
第4部 雪降る金色堂(発掘された古代の書物―漆紙文書「古文孝経」;哭き祭の音風景―平泉に残る「哭喪」の静かなる余韻 ほか)
著者等紹介
静永健[シズナガタケシ]
九州大学大学院人文科学研究院准教授。中国古典文学
小島毅[コジマツヨシ]
東京大学大学院人文社会系研究科教授。中国思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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