出版社内容情報
第2次世界大戦下,日本軍による連合国軍捕虜の取り扱いは苛烈をきわめた.「虐待」とも呼べるような行為の背後にあったものは何なのか.本書は,とくに英連邦軍捕虜処遇を対象に,この苦い過去と正面から向き合う.事実を究明するとともに,和解への道筋を探っていく.
内容説明
本書を出版する理由は、日本における戦争の記憶のなかでともすると脇においやられがちな戦争捕虜処遇問題への関心を少しでも広げることにある。ただし本書は、この問題についての包括的な研究をめざしたり、何らかの統一的な結論を導き出すことを目論んだりした論文集ではない。本書は、捕虜処遇の実態そのものを扱った章から、捕虜処遇問題をめぐる法的側面を論じた章、この問題の歴史的背景を検討した章、戦後における和解への道程を探った章などから成り、戦争捕虜問題を考えていく際の視点を定めるにあたって手掛かりとなる多様な議論を提供することを目的としている。
目次
1 規範と実態(戦争捕虜問題をめぐる西欧と日本;国際法からみた捕虜の地位;ゲリラ戦と捕虜取扱い;連合軍捕虜と泰緬鉄道 ほか)
2 文脈と波紋(戦時下の大日本帝国における文化、人種、権力;第2次世界大戦期における日本人の人種アイデンティティー;「西欧文明」への挑戦?―日本軍による英軍捕虜虐待の歴史的背景;赤い十字と異教国―近代日本の“非宗教”とナショナリズムについて ほか)
著者等紹介
木畑洋一[キバタヨウイチ]
東京大学
小菅信子[コスゲノブコ]
山梨学院大学
トウル,フィリップ[トウル,フィリップ][Towle,Philip]
ケンブリッジ大学
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