出版社内容情報
古典的な宗教心理学の成果と最新の社会・人文諸科学の研究動向を,人間の精神発達というタテの線に沿って併せおさえ総合しようと試みた本書は,簡潔でしかも目くばりのきいた入門書・概論書として高く評価されよう.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
5
ジェイムズやエリアーデ、オルポート等を援用しつつ、幼年期から青年期、成人期にいたる宗教心理を分析する。「オルポートは広く社会心理学的観点から、成熟性の理想規準を立てたが、ジェイムスは特殊な宗教的人物の分析に基づいて聖者性(聖者たる特質)を抽出した…この聖者性の概念も、宗教生活の成熟した果実を示すものとして注目に価する。ジェイムスによれば、「人間が宗教を自己の人格エネルギーの中心として生き、霊的な感激によって動かされるようになると、その人間はいろんな点ではっきりと以前の肉体的自己とは違ったものとなる。」」2023/05/22