出版社内容情報
国民文化の神話を解体する戦略としてのクレオール。その衝撃をうけとめ、その消費をこえて、どのような地域研究を構想できるか? 歴史、政治から文学まで、カリブから旧宗主国そして日本まで、学問分野と時空を縦横に往還し、いま地域研究が開く。
目次
クレオールのかたちを求めて
1 クレオールの現場(異民族、異文化共生の理念を拒むクレオール―ジャマイカ・マルーンの歴史に見る包摂と拒絶;ポストコロニアル・プエルトリコ―一九九八年住民投票をめぐる考察)
2 外延のクレオール(熱帯林のクレオール―ボリビア低地のイエズス会教会;ペルーの黒人とクリオーリョ;都市景観にみるクレオール文化とミドルクラス)
3 俯瞰されるクレオール(カリブの人喰い人種―食人言説と相対性;普遍性への途上―クレオールとフランス共和制)
4 クレオールへの回帰(ジャメイカ・キンケイドの『小さな場所』第1章を教えることについて;デレク・ウォルコットの詩におけるクレオール言語;カリブにおけるクレオール化の一例―ジャクリーヌ・マニコムのエコフェミニズム)