内容説明
サマーアの空を覆う神の呪いは砕け散る。天空に広がるは深く抜けるような蒼穹。その中心で輝く黄金の太陽。人々は驚喜した。しかし。夢売りと夜の王の元には、まだ二つの彩輝晶「光輝晶」と「闇輝晶」が残されていた―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆきちん
45
最後の巻は、神のもとに生まれた2人の王子の話。5つ目『光輝晶』王子しか生まれないはずの王宮に生まれてしまった王女が生きるために男として騎士を目指し、やがて新しい世界を目指す話。6つ目『闇輝晶』母に疎まれ、義母を愛してしまった影をまとった第一王子の話。読み終わって、何と書いたらいいのかわからない。救国の話であり、闘いの話であり、すれ違いの話であり。切なくもあり泣かされたが、読後感はすっきりと爽やか。夢売りと夜の王の正体も最後まで読むとストンと納得。辛く泣きながら読んできて良かった。タイトルがまた効いてる。2017/10/13
シュエパイ
28
「叶わなかった夢はどこにいくんだろう」と少女が呟く。第一王子は母の愛を求め、第二王子は父の愛を求め。幾人もの人々が夢を抱き、失う涙にくれ、時空をすり減らし消えていった。そんな人々の、かなわなかった夢の上を歩いて、少女は王になるのだ、と・・・。あぁ、哀しくて綺麗な結晶でした。だからこそ、それ故に、長い間閉ざされた国の、人々の心の、少女の夢の夜明けの色は、青空の色は、どんな彩輝晶より美しかったのでしょう。きっといつか、美しく優しい睡蓮は国中に咲き誇る、そう信じて、この物語を閉じましょう。2012/02/17
もずく
26
重厚ファンタジー第三巻、完結です。ついに訪れた夜明け。夜の王はあなたでしたかと見事にやられました。幕間だけでも早急に読み返したい。これまでの物語を埋めるように語られるアライスの物語。夢なのに、夢のためにあきらめなければならないものについて考えると切なくなる。そして最後にしてまた新しい方向から語られるもう一人の王子の物語である闇輝晶。ある意味、光輝晶を凌駕してしまうものがあったかと。おかげで最後まで一気読み。「夢の上」というタイトルの意味もそういうことかとようやく感じられました。「歩いていこう、夢の上を」2012/06/22
柊龍司＠中四国読メの会＆読メ旅＆読食コミュ参加中
26
夢売りの正体、夜の王の正体、夢の上というタイトルの意味、全てにけりをつけて素晴らしい着地点の良い物語を読ませてもらった。この三部作をファンタジーというだけで読まない人は後悔するに違いないと思うし、読んで面白さのわからない人とは友達になれないと思う。2011/06/12
秋製
25
シリーズ物。ファンタジー。彩輝晶（さいきしょう）」と呼ばれる結晶に閉じ込められた叶わなかった夢。その夢を見ることを「夢利き」と呼ぶ。最後の彩輝晶似閉じ込められていた夢を見終わった王は夢売りに問う。夢売りは答える。「よあけを」←これはルビです。 この物語は、あるくにが新たに生まれ変わるまでの、それに色々と深く関わった者達の「夢の話」です。2014/02/21
