内容説明
「マグロの一隻買い、やんねえか?」漁船を丸ごと買い取る大バクチが啓輔たちに持ち込まれた。状態のいい本マグロを掴めば、億単位の金が動き利幅も大きいうまい話だ。早速現金を抱えて紀伊勝浦まで飛んだ啓輔たち。しかし金にモノを言わせた家電バッタの『安売り大王』安西に、荷を丸ごとかすめ取られてしまう。畑違いの相手に負けては面白くないと、取引に一枚噛める端緒を探るうち、マグロ売買の裏に隠された鯨肉密輸組織を嗅ぎつける。捕獲が禁止されている品だけに、巨大な利益を生む鯨の謎を追って沖縄へ飛ぶ啓輔。そこには米軍からの払い下げ品を装い、台湾から鯨肉を密輸する大きなカラクリが。
著者等紹介
伊野上裕伸[イノウエヒロノブ]
昭和13年、大阪府生まれ。国学院大学日本文学科卒業。高校教師、興信所調査員などを経て、昭和50年から損害保険調査員として働く。三浦和義事件など、数多くの保険金詐欺事件の調査を担当。「赤い血の流れの果て」で第33回オール読物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。「火の壁」で第13回サントリーミステリー大賞読者賞、日本リスクマネジメント学会文学賞を受賞。著作に受賞作の他、「祝宴の闇」(中央公論新社刊)、「タイトロープ」シリーズ(C★NOVELS)、「モラル・ハザード」(カドカワエンタテインメント)がある
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