出版社内容情報
女の魔性に跪く男の惑乱と陶酔を描いた代表作「痴人の愛」、最初の妻千代をめぐる三角関係が反映した「神と人との間」を収載する。
目次
『神と人との間』
『痴人の愛』
雑纂(最後まで熱をもつて;「痴人の愛」の作者より読者へ;無題(近松秋江『黒髪』序)
上方の食ひもの
萩原君の印象
洋食の話
予告と申訳
はしがき(「痴人の愛」)
映画化された「本牧夜話」
「遊ばせ言葉」を廃止すべし
跋(『現代戯曲全集第六巻谷崎潤一郎篇』;西洋と日本の舞踊;瀧田君の思ひ出)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
訪問者
6
「痴人の愛」は谷崎が初期のころから描いてきた、サドの美少女とろくでなしのマゾ男の物語の一つの完成形であろう。それから、この頃からシンプルライフなどという言葉が使われていたのが、新鮮な驚きだった。2019/07/30
訪問者
4
夏目漱石と谷崎潤一郎は定期的に読み返しているが、何度読んでも面白い。特にマントの下は全裸という有名な場面のある「痴人の愛」は、谷崎が初期のころから描いてきた、サドの美少女とろくでなしのマゾ男の物語の一つの完成形であろう。2023/08/15
イボンヌ
4
「神と人との間」と「痴人の愛」の二作品が収録されています。二つを続けて読むのはかなりハードでした。2016/09/09
biba
3
以前100分de名著で「痴人の愛」が取り上げられていたので、読んでみました。若い頃読んでいなくてよかったな、と思うばかり。男尊女卑の社会であることが前提ではあるけれど、「ナオミ」の境遇を思うと、現代社会の闇にも通ずるところがあって、しょうもない夫婦のお話としては終われないなと思いました。2022/09/30
s_n
3
再読『痴人の愛』と随筆。ナオミと一緒に住み始めてから恋人同士になったりとか、男がナオミをわりと軽蔑している部分もあったりとかそうだったっけ?と思う箇所が結構あった。かつて読んだ時より、大正時代のモダニズムだとか、大正時代の谷崎潤一郎の立ち位置がわかっているので楽しめた。小田原事件の『神と人の間』が本当は読みたかったが数頁でのらないのでまたいつか。やはり作品としては『痴人の愛』より落ちるなぁという印象で名作は残ると思った。2018/08/10
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