出版社内容情報
人生に残されたわずかな日々、小説を諦め、詩作に心血を注ぐことを選んだカーヴァー。生命の終りの輝きを刻んだ記した遺作詩集。
内容説明
人生に残されたわずかな日々、短篇小説の執筆をあきらめ、詩作を選び、心血を注いで刻みつけた命の終わりの鮮烈な輝き―。最後にたどり着いた唯一の場所で、文学的・人間的静けさを手にした真摯な創作者レイモンド・カーヴァー。その遺作となった詩集。
目次
濡れた絵(ヤロスラフ・サイフェルト)
テルモピレエ
ふたつの世界
煙と誤魔化し(アントン・チェーホフ)
ダフニ近くのギリシャ正教会にて
公式記録
変身
脅し
陰謀者
この愛という言葉〔ほか〕
著者等紹介
カーヴァー,レイモンド[カーヴァー,レイモンド][Carver,Raymond]
1938年、オレゴン州生まれ。製材所勤務、病院の守衛、教科書編集などの職を転々とするかたわら執筆を始める。77年刊行の短篇集『頼むから静かにしてくれ』が全米図書賞候補、83年刊行の同『大聖堂』が全米批評家協会賞及びピュリッツァー賞候補となる。その独特の味わいの短篇作品はアメリカ文学界に衝撃を与え、後進の作家にも大きな影響を与えた。数々の短篇作品のほか詩人としての作品も多数。88年、肺癌のため死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おにぎりの具が鮑でゴメンナサイ
32
今年ももう7月だったりして、時間の流れるのが早いなあとか思ったりして、生まれたのがだいぶ昔な私は毎日ちょっとずつ死んでるのを実感する。でも私の住むボロ家の換気口にはスズメが巣を作り卵を産んで、ヒナが孵って餌をねだる鳴き声に急かされ、雨だろうが風があろうがお父ちゃんとお母ちゃんが虫採りに奔走してる。生きてる意味とか幸せとか、失くしたもんとか寂しさとか、そんなしゃらくさいことには煩わずひたすら飛び続けて巣に戻るスズメはえらいなあ。そんなことを想いながらコーヒーを淹れて本でも読もうと思ったらこれも詩集だったよ。2020/07/11
ゆきえ
10
カーヴァーの素晴らしさにひたすら衝撃を受け続けた。カーヴァーは詩も、こんなに素晴らしかったのか。カーヴァーをもっとたくさん読みたいのに。2017/02/12
バナナフィッシュ。
7
アメリカ人じゃないからわからないけれど(そりゃそうか)、カーヴァーってアメリカ本国では天才的作家の一員として認められているのだろうか?映画「バードマン~」ではかなりそのようなニュアンスで言及がされていたので。もしそうだとしたら日本での受け入れられ方はちょっと生温くないか。2015/12/24
王天上
6
この詩集自体も面白かったが、それ以上にチェーホフを読んでみたくなった。リサイクル・コーナーでもらってきたチェーホフ集があったはず……2013/04/12
あなた
6
下級労働者にも、物質があふれチープになったアメリカにも、詩はあるのだということをさらりと教えてくれるカーヴァー。シンプルだが、力強い詩集。ぐれいヴぃ。2009/07/11
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