出版社内容情報
レイモンド・カーヴァー全集 (3)
大聖堂〈短篇集〉
シェフの家/ささやかだけれど、役にたつこと/ぼくが電話をかけている場所/熱 他
内容説明
現代アメリカの文学シーンを代表する寡黙な短篇作家にして詩人、その早すぎた死に深い愛惜をこめて贈る世界で初めての全集。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
chanvesa
26
「ささやかなことだけど、役に立つこと」「大聖堂」「ぼくが電話をかけている場所」「列車」が好き。「熱」のミセス・ウェブスターもカーヴァーの小説には珍しい完璧な人物。人生相談の最高峰かもしれない。お話を聞いて肯定してあげる。この安堵感。「ささやか…」のパン屋のおじさんは不器用人間の神的な存在だ。「ぼくが電話を…」は美しい再生の物語。「列車」のシュールさ、謎の3人。ミス・デントの強烈な暴力性はカーヴァーには珍しい。「大聖堂」の共感覚は大麻の力を借りているとはいえ、バブの妻側の「理性」を越えた、本物の理解だ。2015/02/04
fig
9
短編集。同じ現在でも同じ土地を生きているわけでもないにも拘らず、登場する人々の抱く負の想いや感情の沈殿はあまりにリアルに過ぎ、作品によっては小説として味わうことに苛立たしさを覚えるほど(あくまでも個人的好み)。希望や和解や優しさの欠片が覗くとしても、それが凄い小説だと感じられたとしても、個人的に読むのが辛くなる作品もあるのだということが、よくわかった。『ささやかだけれど、役にたつこと』『大聖堂』は読めて良かった。2009/09/25
mooroom7
8
読もうと思ってまだだったカーヴァ―、お初でした。読みやすく、そしてあまり感激はなかった。巻頭の奥さんの跋文と巻末の春樹氏の解題、そしてJ・マキナニーの追悼の如き小文。中身の本文より、それらの方に心が傾いたり。有名短編「僕が電話を~~」に関して、春樹氏の、時代を超えて読み継がれる古典云々というお言葉。何故か、「人生は一行のボオドレエルにも若かない」という芥川の阿保リズムが思い出された。俺の人生はこの40頁に満たない短編小説よりも価値が無いのかもしれないなどと、不意に思いついて涙がこぼれそうになった。馬鹿だな2025/12/31
イッセイ
6
村上春樹のインタビュー集で存在を知って読んでみた。村上の短編「レーダーホーゼン」で感じたような、人生の不条理さがある。見事に“その一瞬”を切り取る手腕がすばらしい。長年会っていなかった息子に会いに行く「コンパートメント」、息子が交通事故に遭ってしまった夫婦を書いた「ささやかだけれど、役に立つこと」、妻の友人である全盲の男性との交流「大聖堂」が◎(R)2011/01/10
amanon
5
訳者である村上春樹氏も解題で言及しているとおり、著者カーヴァーの円熟期の作品集ということで、これまで読んできた作品に比べると、どうしようもないどん詰り状態に陥った主人公たちの悲哀という側面がかなり薄れている。確かに、そういう状況を描いても、どこか余裕が感じられるのだ。特に印象的だったのは、「ささやかだけれど、役に立つこと」。よりによって誕生日に一人息子が交通事故に合い、必死の両親の必死の願いにも拘らず、亡くなってしまう。絶望に打ちひしがれた両親に食事をもてなし慰める孤独なパン屋の主人がとてつもなく良い。2011/05/24
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