内容説明
厄介な「居候」が百鬼夜行に帰って以降―再会した妹に「共に暮らそう」と言い出せず、むなしく日々を過ごす喜蔵は、多聞と名乗る男と馴染みになる。優雅な声音と物腰で女性を虜にする多聞だが、喜蔵が営む古道具屋で買うのは、なぜか付喪神の宿る品ばかり。同じ頃「女性だけを狙う妖怪が出没する」との噂が浅草を賑わせており…。文明開化の東京で、凸凹コンビが妖怪沙汰を万事解決?大好評を博した『一鬼夜行』シリーズ第二幕前編。
著者等紹介
小松エメル[コマツエメル]
1984年東京都生まれ。母方にトルコ人の祖父を持ち、トルコ語で「強い、優しい、美しい」という意味を持つ名前を授かる。國學院大學文学部史学科卒業。2008年、あさのあつこ、後藤竜二両選考委員の高評価を得て、ジャイブ小説大賞初の「大賞」を受賞した「一鬼夜行」でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おくちゃん🌴柳緑花紅
55
通勤用に読んでいた作品☆電車に乗っている時間が短いので結構読み終えるのに時間が掛かったが、節分の今日タイミング良く「上巻」読了。小春がまた戻って来てくれて嬉しい。そして百目鬼、多聞は最初から怪しすぎる。硯の精まで買っていくなんて....小春が語り始めた「硯の精はな.....」何?何?急いで下巻へ*2014/02/03
ゆかーん
52
「鬼やらい」とは?と思って調べてみたら、「節分」のことだそうです。前作でも可愛く登場していた小春ちゃんが子鬼だったことを思い出し、もしや節分で追い払われてしまうのか⁉と冷や冷やしながらページをめくると…バリバリと節分で投げた豆を食べながら登場してきました(笑)一方、強面の喜蔵は相変わらずの引きこもりの友人0人男でしたが、ひょんなことから多聞という美形の男と親しくなってゆきます。おっ!このまま友達ができるのか⁉と思いきや、それと同時期に浅草での変質者事件が勃発!犯人は誰なのか?気になる所で下巻へ…。2015/07/16
はにこ
46
喜蔵は不器用すぎ。人嫌いを演じていても本当は人も、妖怪である小春も大好きなのに。裏切られるくらいなら近づけたくないという気持ちも分からなくはないけど、極端すぎる。もうちょっと器用に振る舞えないかねぇ。こんな奴を心配してくれる周りは良い人ばかりだねぇ。下巻へ。2020/09/26
はらぺこ
36
シリーズ第二弾。 喜蔵にイライラした。そりゃぁ、上下巻になるわ。2015/04/03
藤月はな(灯れ松明の火)
34
節分と言えば今は恵方巻きですが私としては追儺から派生した豆まきを連想します。もうすぐ、節分が近い時期に図書館で見つかったので借りました。小春ちゃんと喜蔵は再開できますが相変わらず、喜蔵は深雪ちゃん達に素直になれなくてハラハラします。しかし、妖怪に言い寄られたと深雪ちゃんから聞き、夜叉の如く、静かに怒り狂う喜蔵や天狗さんの意外な一面にニヤニヤしちゃいます。にこやかな笑みで女子を惑わし、現実となって現れる妖怪画を頼み、付喪神憑きの古道具を喜蔵の店から買い上げる多門が不気味です。続きが気になります。2012/01/27