出版社内容情報
ルネサンスからロココにいたる西欧絵画を集大成。原画の色調はもとより徴妙なニュアンスをも忠実に再現。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
360
ベラスケスの絵は見る者を圧倒し言葉を失わせる。サイズが大きいことも関与しているかもしれない。プラド美術館の3大至宝群(ベラスケス、ゴヤ、ルーベンス)は、いずれも大サイズである。スペイン好みなのだろう。ちなみにベラスケスの「ラス・メニ―ナス」が318×276cm。肖像画にしても、2m×1mくらいはある。ソレニシテモメニーナスは内包する情報の多い絵である。にもかかわらず、絵の上半分は暗いのである。ベラスケスは「絶対色彩」などと評されるが、王侯たちの纏う服は黒一色でありながら、そこにこそ色彩としての黒が際立つ。2022/01/16