出版社内容情報
青い16個のボタン、曲がった釘、漏斗、小さな赤い本……
黒猫シンクが持ち帰る“おみやげ”から、猫だけが行ける場所について推理する〈ミルリトン探偵局〉。
謎解きのルールは、解けそうな謎でも決して解かないこと。
人と人、時間と場所のすき間をくぐり抜け、猫がひもとく物語。
作家・吉田篤弘が別名義で著した幻のデビュー作を大幅改稿。
描き下ろしイラストと新規解説を新たに付す。
内容説明
青い16個のボタン、曲がった釘、小さな赤い本…黒猫シンクの“おみやげ”から、猫だけが行ける場所について推理する“ミルリトン探偵局”。謎解きのルールは、解けそうな謎でも決して解かないこと。人と人、時間と場所のすき間をくぐり抜け、猫がひもとく物語。作家・吉田篤弘が別名義で著した幻のデビュー作を大幅改稿。イラストと解説を新規収録。
著者等紹介
吉田音[ヨシダオン]
クラフト・エヴィング商會の四代目。学者にして探偵である円田と〈ミルリトン探偵局〉を結成
吉田篤弘[ヨシダアツヒロ]
1962年東京生まれ。小説を執筆するかたわら、「クラフト・エヴィング商會」名義による著作と装幀の仕事を手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
98
吉田さんの初期のころの作品で、吉田音という名義で発表された作品が再刊されたようです。黒猫のシンクという名前で出てくる「ミルリトン探偵局」が中心ですがその間にもナインげない日常の話が収められています。イラストも掲載されていてほのぼのとした印象を与えてくれるのは他の作品と同じです。もう1冊再刊されるようなのでそれも楽しみです。2025/02/17
シナモン
94
ボタン、曲がった釘、小さな赤い本…黒猫シンクがどこからか持ってくるおみやげたちはどこか謎に包まれて。そんな謎をあえて解かない「ミルリトン探偵局」。読んでるとひそやかな猫の世界に自分の意識もぼーっと吸い込まれていく。吉田篤弘さんの世界に浸れて満足。2025/04/23
ばう
57
★★★解説によると吉田さんにはデビュー作が5つあるそうで、本書はそのうちの1冊。 黒猫シンクが夜な夜な出かけた先で拾ってきた「おみやげ」の謎を解き明かそうと音という名の女の子と近所の円田さんが始めた探偵局。そこでは解けそうな謎も決して解かないというルールがあるのだ。物語は探偵局の考えた“真相”と黒猫が出会った「物語」が交互に進んでいく。その「物語」3つ、(久助)(奏者)(箱舟)はどれも趣が違ってそれぞれ魅力的なお話。どれも長編にして書いてもらいたいくらい。続編があるらしいのでそちらも是非読んでみたいです。2025/02/26
はっせー
46
本書は吉田音さんのデビュー作。吉田音さんは、吉田篤弘さんが産み出した?架空の娘さん。吉田篤弘扮する吉田音さんが小説を書いたイメージとなる😂主人公は、本書の著者と同じ音。その音の父の友人で学者の円田さんと結成したのがミルリトン探偵局。彼らは謎を解く探偵ではない。謎を見てなんだろうと思いながらあれこれ考える。こんな感じの作品となります!まず思うのは謎を謎のままでいるという探偵のスタンス。めっちゃ珍しいし面白い😂本書のイメージは「喧騒な社会から深呼吸できる読書体験」かなと思った!2025/05/08
よこたん
33
“「考え」だけは、どんなに狭いすき間でもするすると抜けていきます。決めつけたり、分かってしまったりしたら、そこまでです。でも、分からなければ、いつまでもどこまでも楽しめます。食べたことのないミルリトンみたいに” ミルリトンって実在するお菓子だったとは。もちろん私も食べたことはない。だけど美味しいに違いない、そう確信する。併せて、著者の吉田音とは何者?と想像しながら読んだ。大好きな吉田篤弘さんの幻のデビュー作を大幅改稿したものだそう。パラパラとばら撒かれた謎は、猫のおみやげ。いつしか広大な物語へと繋がる。2025/04/23
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