出版社内容情報
昭和・光と影
上海事変に際し、破壊筒を抱えて敵陣に飛び込んで自らの身を散らせた三人の工兵──爆弾三勇士。軍国主義下の日本において、彼らはいかにして神に仕立て上げられたのか。その一方、なぜ“軍神”として祀られることはなかったのか。天皇をめぐる民衆の心性に肉薄した記録文学の記念碑的作品。〈解説〉阿部謹也、〈巻末エッセイ〉髙山文彦
内容説明
一九三二年の上海事変に際し、破壊筒を抱えて敵陣に飛び込んで自らの身を散らせた三人の工兵―爆弾三勇士。軍国主義下の日本において、彼らはいかにして神に仕立て上げられたのか。その一方、なぜ“軍神”として祀られることはなかったのか。天皇をめぐる民衆の心性に肉薄した記録文学の白眉。
著者等紹介
上野英信[ウエノエイシン]
1923年山口県生まれ。旧満洲・建国大学在学中に現役招集、広島で被爆。敗戦後、京都大学支那文学科に編入するも卒業間近で中退し、筑豊の炭鉱労働者として働きながら文学活動を始める。58年、谷川雁、森崎和江らとともに『サークル村』を創刊。福岡県鞍手町の住居兼資料館「筑豊文庫」を拠点に執筆活動を行った。87年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Go Extreme
2
夕刊フクニチ新聞→季刊『辺境』 坑夫の神様→爆弾三銃士序説→天皇陛下萬歳 ひたすら天皇のために身命を捧げる・おのが栄光として死んでいった兵士の鎮魂 天皇陛下の赤子・大元帥陛下の股肱 逃れがたい業担きの宿命 上海事変・廟行鎮の華と散った爆弾三勇士 犠牲になった兵士を美化・唱えもしない言葉を唱えさせることは許されず 部落民伝説 広島の地獄→地獄そのものを生きるよりほかなかった いわれなき神の正体2024/12/24
Go Extreme
1
三勇士の象徴: 江下武二 北川一等兵 作江一等兵 肉弾三勇士 上海戦 国家英雄 自己犠牲 九州と軍国主義: 軍人輩出 炭鉱労働 戦争動員 中国大陸近接 軍国教育 戦死者最多 地域社会影響 英雄視と国家利用: 教科書掲載 美化政策 士気高揚 皇国神話 戦争正当化 忠誠心教育 国民統制 戦争の社会影響: 軍部干渉 教育改訂 戦況激化 宣伝戦略 文部省戦後政策 記憶操作 教材削除 戦後の評価: 物語否定 批判的再考 部落民説 社会的背景解明 歴史的教訓 文化的影響 反戦視点2025/03/18