出版社内容情報
「明日死ねたら楽なのにとずっと夢見ていた。
なのに最期の最期になって、もう少し生きてみてもよかったと思っている」
「一ヶ月後、小惑星が衝突し、地球は滅びる」。学校でいじめを受ける友樹、人を殺したヤクザの信士、恋人から逃げ出した静香。そして――荒廃していく世界の中で、人生をうまく生きられなかった人びとは、最期の時までをどう過ごすのか。滅びゆく運命の中で、幸せについて問う傑作。
〈巻末対談〉新井素子×凪良ゆう
内容説明
「一ヶ月後、小惑星が衝突し、地球は滅びる」。学校でいじめを受ける友樹、人を殺したヤクザの信士、恋人から逃げ出した静香。そして―荒廃していく世界の中で、人生をうまく生きられなかった人びとは、最期の時までをどう過ごすのか。滅びゆく運命の中で、幸せについて問う傑作。
著者等紹介
凪良ゆう[ナギラユウ]
2007年に白泉社よりデビュー。以降、各社でボーイズラブ作品を精力的に刊行する。20年、一般文芸における初単行本『流浪の月』で本屋大賞を受賞。21年『滅びの前のシャングリラ』で二年連続本屋大賞ノミネート、「キノベス!2021」一位を受賞。23年『汝、星のごとく』で二度目の本屋大賞をはじめ、数多くの賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
エドワード
91
小惑星が衝突して地球が滅びる。1ケ月後だ。伊坂幸太郎さんに似た設定があったな。いじめられる高校生、江那友樹。同級生で学校一の美少女、藤森雪絵。カオスと化した世界で、人気歌手・Locoのライブを目指して東京へ行く二人。襲われて逃げる二人を助ける、友樹の母・静香とヤクザの目力信士。山あり谷ありの人生を省みながら、最後の日まで、家族のように生き続ける。グイグイ読ませるストーリーと描写が迫力満点だ。絶望の中でこそ、感じることのできる幸せの不思議。シャングリラ―それは地上の楽園。どこかオリエンタルな響きの余韻。2024/02/11
kyokyokyo3201
87
後一カ月で地球が滅亡する世界。暴動が起き自暴自棄になって盗みや殺戮に走る人々の描写が生々しい。その中で足掻く4人(+1)に焦点が当てられる。「どうせ」死ぬから人としての尊厳を捨てるのか、死んでしまう「からこそ」大切な物や人を守るのか。それぞれのシャングリラの中で目を閉じるためにどう生きるのか。迎える最後の形に正解はないのかもしれない。2024/08/19
はっせー
81
世界が滅びる設定の小説が読みたい人や家族について考えたい人に読んで欲しい本になっている!あと1か月後に隕石が落ちてきて地球が滅びるなら自分はなにがしたいか。こんな問いを誰しもが一度考えたことがあるだろう。この本はあと1か月後に地球が滅びる世の中で登場人物がどう生きていったかをまとめた小説になっている。読んでいて自分ならなにをするだろうとか。今のうちから家族や友達を大切にしようとか。当たり前過ぎることを改めて思った。読みやすい本なのでぜひ!2024/03/02
Karl Heintz Schneider
78
地球最後の日にあなたは何をしたいですか?ではなくて、地球最後の日にあなたは誰といたいですか?この本はそれを問いかけてくる。いじめられている高校生の友樹、人を殺したヤクザの信士、恋人から逃げ出した静香。一見、何の関わりもなかった3人が物語の中盤で、いきなりつながる。もうすぐ地球が終わるにもかかわらず、3人が3人とも、危険を顧みずに起こした行動は、どれもが自分の大切な人への想いからくるものだった。人はひとりでは生きていけないし、死ぬ間際には大切な人にそばにいてほしい。改めてそのことを思い知らされた一冊だった。2024/08/11
H!deking
78
いやーやっぱり最高ですね。単行本で読んでましたが文庫のサイン本GETしたので再読。前回読んだ時より何故だかやたら泣けました。静子さんが言ってた、子供は新築の家みたいなもんで柱に傷つくと云々というのがなんだか妙に刺さりました。映像化されたら面白そうだけどセンスの良い監督にお願いしたいです。笑2024/02/26