出版社内容情報
南米コロンビアで凄絶な幼少期を過ごしながらも、マフィアのボスにまで上りつめた日系二世のリキ・コバヤシ・ガルシア。その彼が、幼い娘を伴い来日した。目的はライバル組織に裏切られ、警視庁に勾留されている部下の奪還と復讐、日本での勢力拡大。だが、もうひとつ目的が……。人の心の在処を追い続ける著者の、揺るぎなき原点にして、傑作巨篇。
内容説明
南米コロンビアで凄絶な幼少期を過ごしながらも、マフィアのボスにまで上りつめた日系二世のリキ・コバヤシ・ガルシア。その彼が、幼い娘を伴い来日した。目的はライバル組織に裏切られ、警視庁に勾留されている部下の奪還と復讐、日本での勢力拡大。だが、もうひとつ目的が…。人の心の在処を追い続ける著者の、揺るぎなき原点にして、傑作巨篇。
著者等紹介
垣根涼介[カキネリョウスケ]
1966年、長崎県生まれ。筑波大学卒。2000年『午前三時のルースター』でサントリーミステリー大賞・読者賞をダブル受賞し、デビュー。04年、『ワイルド・ソウル』で大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞と、史上初のトリプル受賞に輝き、05年には『君たちに明日はない』で山本周五郎賞、16年には『室町無頼』で「オール讀物」主催“本屋が選ぶ時代小説大賞二〇一六”及び「週刊朝日」“二〇一六年歴史・時代小説ベスト一〇”第一位、23年には『極楽征夷大将軍』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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fukufuku
2
コロンビアの麻薬カルテルのボスは血統は純ハポネス。複雑な生い立ちと裏社会で生きていくことになった経緯、幼い少女を育てている経緯等が上巻で描かれる。新宿署を退職した元巡査や組対の刑事、ハピネスの部下たち等気になる人物がわんさか。垣根さんの文体はノアールが似合う。2024/06/30
オールド・ボリシェビク
2
南米コロンビアで幼少期を過ごし、ゲリラに両親を惨殺されたリキ・コバヤシ。明晰な頭脳と冷静さを武器にカルテルの長となった彼が来日する。目的はライバル組織に裏切られ、警視庁に拘留されている仲間を救うことだ。血で血を洗う殺戮戦が、東京で繰り広げられる。単行本刊行は2006年。コロンビア現地取材が光る破壊と破滅の物語である。垣根涼介、このころは面白かった。何しろ、スタイリッシュだった。2024/02/07
北刻堂
1
リキの凄惨な幼少期は目を覆うばかりだ。貧困と暴力が日常となっている世界で、ギャング集団の組織が生まれるのは、ほとんど必然と思われる。生き残るためにひたすら力をつけて、日系人でありながら、マフィアのボスに上り詰めたリキが、なぜ幼い少女・カーサを連れて日本にやってきたのか? その理由は竹崎との会食の場で語られて腑に落ちたが、平行して滞在中に危ない仕事も続けているのだから、カーサの存在が、リキのウィークポイントになってしまわないか、とても心配だ。 下巻へ2024/11/30
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