出版社内容情報
謀略に次ぐ謀略!
有力皇族の誅殺、忍び寄る疫病の影――。
藤原家の四子がこの国にもたらしたのは、栄光か、破滅か?
直木賞作家にしてノワール小説の旗手が、古代史上最大の闇に迫る衝撃作。
藤原武智麻呂、房前、宇合、麻呂の四兄弟は、父・不比等の意志を受け継ぎ、この国を掌中に収めるため力を合わせる。だが政の中枢には、不比等が唯一畏れた男、長屋王が君臨していた。
皇族と藤原家。それぞれの野心がぶつかり合い、謀略が交錯するとき、古代史上最大の闇が浮かび上がる――。
〈解説〉木本好信(元龍谷大学教授、奈良時代政治史)
内容説明
藤原武智麻呂、房前、宇合、麻呂の四兄弟は、父・不比等の遺志を受け継ぎ、この国を掌中に収めるため力を合わせる。だが政の中枢には、不比等が唯一畏れた男、長屋王が君臨していた。皇族と藤原氏。それぞれの野心がぶつかり合い、謀略が交錯するとき、古代史上最大の闇が浮かび上がる―。
著者等紹介
馳星周[ハセセイシュウ]
1965年北海道生まれ。横浜市立大学卒業。出版社勤務を経てフリーライターになる。96年『不夜城』で小説家デビュー。同作品で第一八回吉川英治文学新人賞、98年『鎮魂歌―不夜城2』で第五一回日本推理作家協会賞、99年『漂流街』で第一回大藪春彦賞、2020年『少年と犬』で第一六三回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ALATA
48
「首様が玉座に就かれるとき、太極殿の南には青龍、白虎、朱雀、玄武の四神の旗が立てられる」不比等の遺志を受け継ぎこの国を掌中に収めるために暗躍する藤原四兄弟の物語。馳さんの歴史ノワール、「長屋王の変」史実を著者独特の解釈で読ませてくれました。藤原氏と皇親勢力との覇権争い、権謀術数、人を操る奸計の数々、古代史の闇がしっかり描かれていて面白い★4※疫病、飢饉、地震と長屋王の祟りと恐れる聖武天皇。東大寺発願にはそんな裏があったんですね2025/03/18
ryohey_novels
8
私の好きな奈良、それも初期、藤原四子が主役とあって非常に期待した作品だが期待未満だった。テンポは良いが、その分事件の掘り下げが少なく、コロコロと視点が変わるため、感情移入しづらい。私は房前の自分本位な性格が苦手だ。確かに武智麻呂は家を守ることしか考えておらず政を疎かにしているかもしれない。ただ、時勢を読み、柔軟に策を練る努力をする武智麻呂に好感を覚え、綺麗事だけを突き詰める房前には厳しい目を向けたくなる。武智麻呂派では麻呂が良い。何より家族を守ることを信念に持つ麻呂はこの時代において愛すべき人物だと思う。2024/04/30
Masakazu Fujino
8
史実に基づく藤原四子の物語。私としては今一つ。2024/02/16
ふみりな
5
非常に面白い。権力闘争はいつの時代にもある。結局勝者はいないのか。2024/02/22
TakeROC
4
代替わりした続編。不比等の血を分けた直系の男子だけでも四人いるから、さすがに薄まるわけで、それぞれのキャラクタと、時の天皇や周囲、血を分けた女性も含めて説明が多くなるのはいかんともし難いものでした。張り巡らす策略と、他者との競争は任侠モノとして読んでいたのですが、家族の絆を蔑ろにしない事が含まれて、マフィアものに置換すると合点が行きます。既に続編が出ていることを知っておりますが、流石に相性のよい馳星周の作品であっても、もたれる内容なので、少し間を置きたいように感じています。本作の最後は呪いでよろしいかと。2024/12/06