出版社内容情報
昭和初年に斎藤茂吉らが「万葉集」の秀歌百首に、著者の愛する五十首を加え、作家ならではのまなざしで読み解くエッセイ集。万葉集の入門書としても、千年かわらぬ人々の心について綴るエッセイ集。初単行本化。
内容説明
清らかな自然の美しさや人を恋うる心、夫婦の情愛、別れゆくこと…。千年変わらぬ人間の真情を歌うわが国最古の歌集・万葉集。かつて戦意昂揚のために利用された不幸な歴史を塗り替え、わかりやすい口語訳でこの歌集の真の魅力をあますところなく伝えるエッセイ集。
目次
第1章 万葉百首―「萬葉百首繪かるた」によせて(のびやかな本音の歌;夏だより、夏の恋;召されゆく人、旅立てる人;万葉びとの憂愁;万葉の秋―恋の季節;夫婦の愛;青年たちの歌;冬から春へ;伝承のうた;東歌と水路―旅によせて)
第2章 私の好きな万葉秀歌(言霊のくすしき力;読み人知らずの歌;恋の熱情;東歌;家持の歌を中心に)
著者等紹介
田辺聖子[タナベセイコ]
1928年、大阪生まれ。樟蔭女専国文科卒。63年、『感傷旅行(センチメンタル・ジャーニイ)』で芥川賞を受賞、88年、『花衣ぬぐやまつわる…わが愛の杉田久女』で女流文学賞、93年、『ひねくれ一茶』で吉川英治文学賞、94年、菊池寛賞を受賞。98年、『道頓堀の雨に別れて以来なり』で泉鏡花文学賞と読売文学賞を受賞。2008年、文化勲章受章。19年6月死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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