出版社内容情報
「女らしさ」が、全部だるい。天使、小悪魔、お人形……「あなたの好きな少女」を演じる暇はない。好きに太って、痩せて、がははと笑い、グロテスクな自分も祝福する。一話読むたび心の曇りが磨かれる、シャーリイ・ジャクスン賞候補作「女が死ぬ」を含む五十三の掌篇集。『ワイルドフラワーの見えない一年』より改題。〈特別付録〉著者ひと言解説
内容説明
「女らしさ」が、全部だるい。天使、小悪魔、お人形…「あなたの好きな少女」を演じる暇はない。好きに太って、痩せて、がははと笑い、グロテスクな自分も祝福する。一話読むたび心の曇りが磨かれる、シャーリイ・ジャクスン賞候補作「女が死ぬ」を含む53の掌篇集。
著者等紹介
松田青子[マツダアオコ]
1979年、兵庫県生まれ。同志社大学文学部英文学科卒業。2013年、デビュー作『スタッキング可能』が三島由紀夫賞及び野間文芸新人賞候補に、14年にTwitter文学賞第一位となり、19年に短篇「女が死ぬ」がアメリカのシャーリイ・ジャクスン賞短篇部門の候補に、21年に『おばちゃんたちのいるところ』がレイ・ブラッドベリ賞の候補となった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はっせー
92
女性や女性にまつわる短編集。ここで終わってしまうの!?と思うものから端的で面白いお話が数多く入っている。最後に著者の各短編についてどんな想いで書いたかを一言でまとめたものもついているためわかりやすいし画期的である。今まで男性と性的な関わりのない女性を探し求める話と女性らしさの逆の男性らしさについてのお話がとくに印象に残っている。前者はなにか不気味な要求とともに違和感が残る作品であり、後者は女性らしさについて求める社会こそ女性の活躍を願っていない。まさに男性らしさの中の女性らしさなのかなと感じた!2022/10/11
なゆ
86
ふふふふふ、松田青子さんだなぁ。単純にそう思う短編集、雑文もあり、一言もあり、無文もあり。文庫化で改題されて随分と強烈なタイトルに。私としては元の「ワイルドフラワーの見えない一年」のほうが好きなんだけど。私もワイルドフラワーの一人だな。「男性ならではの感性」、ひっくり返すとなんてトンチンカンなんだろう。既視感あるなーと思った「あなたの好きな少女が嫌い」は、やっぱり「持続可能な魂の利用」の原型だったか。「ハワイ」でくつろぐセーターに、私も心が痛む。断捨離したばっかりだから。私の服たちもそんな風だといいな。2021/12/17
Kanonlicht
86
著者が女性であるがゆえにこの作品も、女性性の押し付けに対する抵抗というように受け取られてしまうのかもしれないけども、もっと根源的な、「Aとはこういうもの」という既成概念、型に嵌めることの愚かさこそが、著者が書きたいことなんだと思った。ってそれもこちらの一方的なイメージの押し付けになってしまうけど。いい感じに肩に力が入っていない文体は好き。2021/06/28
Vakira
71
バルテュスは7年前東京都美術館で展覧会があった。代表作は少女のスカートから伸びる艶かしい長い脚。谷崎潤一郎さんがご存命なら嘸かし喜んでいた事でしょう。そのバルテュスさんの画が題名の超短編「バルテュスの『街路』の感慨」が掲載。長いパン?はて?バルテュスさんのことだからパンツの間違いでは?っと、どんな絵なのか気になって当時購入した図録を引っ張り出し探す。ミッケ!オオ!パンではない。長い角材だ。青子さんにやられました。でもこの感覚がいいんです。何々?と思わせたり、ハッとさせたり。フッと気の抜けた瞬間の白日夢。2021/11/11
ネギっ子gen
68
シャーリイ・ジャクスン賞候補作になった「女が死ぬ」を含む53の掌篇集なのだが、スミマセン……。つい出来心で、後ろの「著者ひと言解説」を途中から見てしまった。そして、その解説の切れ味に心奪われた、と。なので、毒を喰らわば皿まで。その解説に即して。「少年という名前のメカ」。ま、エヴァのパロデイでしょうね。でも、これ、高校生の教科書なんだ。「あなたの好きな少女が怖い」あっ、これは先に読んだ。で、これ、好きだなーって。そして解説見ると、<ここから膨らませて、長編『持続可能な魂の利用』を書きました>と。そっかぁ。⇒2022/08/15
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