出版社内容情報
小学校卒業後に就職、食の楽しみを覚え、映画や芝居に夢中になり、吉原に通った戦前。海軍でしごかれた戦中期。そして戦後、師・長谷川伸の知遇を得て、脚本家、さらに30代で小説家として立つまで――。著者の創作のエッセンスが詰まった痛快な青春記。
「時代小説を書いている私の主題のとらえ方の一例が、過去の自分の生活の中から、どのようにして採り出されているかをお目にかける」という著者自身の意図のもと、短篇小説「同門の宴」を併録したファン必読の一冊。インタビュー「池波正太郎の〔青春・小説・人生〕」を増補。
■目次より
青春忘れもの(祖父の家/蕪と株/再会/夢中の日々/十五代目・羽左衛門/別れ別れ/開戦前後/応召前夜/海軍八〇一空/終戦/恩師/旧友)
同門の宴
〈解説〉池波さんのこと 島田正吾
〈インタビュー〉池波正太郎の〔青春・小説・人生〕 聞き手:佐藤隆介
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kiiseegen
5
増補版にて再読。2020/05/01
kinghaya
1
★★ 意外にファンキーだった文豪の半生が楽しめる本。2023/07/08
寿里子
1
池波と同世代の父・叔父なのだが、こんなにも生き方がちがうのかと興味深く読んだ。2020/10/10
いえのぶ
1
池波正太郎の子供のころから第二次世界大戦を経て直木賞を受賞、小説家として大いに名を成した40歳代までの回想記。併録される短編時代小説が池波氏の体験とどのように関係して書かれたのか、ご本人による解説を読み、なるほどと思う次第。2020/05/28
山陰 柴
1
池波氏の時代物は面白くて数々読んだ。作者の小説の構築に興味を持ったのでこの本を読んでみると納得した。演劇のシナリオを練りに練ったものであり劇を見ているような臨場感、人と人の交わりの中から職人のような小説を作り出したんだ。2020/04/30