出版社内容情報
どこまでも続く巨大な砂漠の果て、そこには古今東西の知識のすべてが収められ、至りし者は神に等しい力を手に入れる図書館があるという――長い旅路の末、たどり着いた旅人がひとり。鎖に縛められたその扉を開かんとする彼に守人が謎をかける。鎖は十本、謎も十問。旅人は万智の殿堂へたどり着けるのか!? 知の冒険へ誘う傑作長篇!
文庫オリジナル
内容説明
どこまでも続く広大な砂漠の果て、そこには古今東西の知識のすべてが収められ、至りし者が神に等しい力を手にできる図書館があるという―長い旅路の末、たどり着いた旅人がひとり。鎖に縛められたその扉を開かんとする彼に守人は謎をかける。鎖は十本、謎も十問。旅人は万智の殿堂へたどり着けるのか!?知の冒険へ誘う傑作長篇!
著者等紹介
多崎礼[タサキレイ]
2月20日生まれ。2006年、『煌夜祭』で第2回C★NOVELS大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ペグ
85
多崎さんの作品にはそれぞれの風合いがあって。例えば「煌夜祭」はベルベット、「血と霧」は鹿皮のスウェード、そしてこの「叡智の〜」はエナメルと鋼。10話の内、9話と10話はSFの硬質な場面故、尚更に人間の有機的な動きと会話が引き立ち魅力的。そして、全ての作品は利他主義に徹していて美しい。性別を超えてちょっとばかり青っぽい台詞は多崎さんの魅力になっていると思う。2020/01/16
papako
77
新聞紹介で見かけて、お気に入りさん達のレビューで。電子書籍で出たので。すごく良かった。10の問いとその答え。答えを導く10の物語。時代も設定も異なる10の物語なのに、続けて読むとひとつの大きな流れと愛を感じました。私はどれも好きでしたが、『愛と平和』泣かされた!まさか泣かされるとは。そしてローグと間のぬけたログと魔法の石板。アレクサンドリアの決断にも。すごく楽しめました。それぞれのお話の先も読みたくなるけど、この余韻がいいのかも。満足!また読もう。2019/04/19
buchipanda3
67
著者が描く世界観の雰囲気に気持ちよく酔えた。問われる十の謎の答えが十篇の奇譚で導かれる物語。広大な砂漠の果てに聳える叡智の図書館、そこに収められた森羅万象の知識を得るために長い旅をしたローグが秘められた封印を解く・・。語られる物語は幻想、中世、伝承、近未来と多彩。一つ一つでも十分に面白い上に、全てを通して語られる人間の真理を探究するかのような普遍的な語りが印象深いものだった。それは人が物語を求める理由にも思える。第一問、第三問、第六問、第九問が特にお気に入り。憑りつかれたように読む贅沢な時間を堪能。2019/02/26
mayu
53
知識と思想、思考のすべてが記録されている叡智の図書館。そこに至りし者は神に等しい力を手に入れるという。叡智の図書館に辿り着いた旅人ローグは、守人の乙女より問われた10の謎を解く。そのために魔法の石板が再生する10の物語。西洋も日本も、過去も未来も。すっきり終わるものもあれば、複雑な感情が残るものもあるが、1つ1つに意味があり、答えを集めて導き出される真実。人間の抱える善と悪。孤高の存在だった守人が人間の心を知り、寄り添うことを決意。善を尊び、良き未来の可能性を信じるラスト。2025/05/31
hnzwd
49
10個のエピソードを通して自分が何なのかを解決しようとするという話。エピソードそれぞれが、古代から未来まで様々な時代を舞台とした短編になっていて、1つずつでも完成度が高いです。ミステリではないですが、好きな作家さん。2019/04/05
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