出版社内容情報
「ため息に溺れてしまいました。ご迷惑をおかけします」立川市の蔵元病院で、蔵元家の婿養子・指月の遺体が発見された。本人筆跡の遺書が残っていることから警察は自殺と判断。だが患者や同僚からも慕われていた彼がなぜ? 女刑事・羽木薫の捜査で見えてきたのは、権力を巡る開業医一族の闇。そして指月が胸に秘めた、悲しき過去の記憶だった――。
優しき医師は自殺か、他殺か。見えていた世界が一変する、衝撃のクライマックス!
石川 智健[イシカワトモタケ]
著・文・その他
内容説明
「ため息に溺れてしまいました」。立川市の蔵元医院で養子である蔵元指月の遺体が発見された。遺書の存在から警察は自殺と判断。だが女刑事・羽木薫の捜査で見えてきたのは、蔵元家の持つ権力や莫大な財産をめぐる闇。そして指月が胸に秘めた悲しい過去の記憶だった。誰からも愛された医師の死に隠された、驚愕の真実とは―。文庫書き下ろし。
著者等紹介
石川智健[イシカワトモタケ]
1985年、神奈川県生まれ。2011年『グレイメン』で国際的小説アワード「ゴールデン・エレファント賞」第二回大賞を受賞。翌年同作品が日米韓で刊行となり、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちーたん
85
★★★☆☆🐕「ママ〜、"ためいきにおぼれる"ってな〜に?」🐶「ちー坊や、ため息は嫌な事や感動した時に思わず出ちゃう吐息の事よ。でもね、それで溺れたりなんてしないわよ」🐕「ふ〜ん」◆立川市の権力一家蔵元家。その養子の指月が『ため息に溺れてしまいました』と遺書を残し亡くなる。妻は他殺を主張し、女刑事が自殺か他殺かを追う話。『ため息に溺れる』という一節が"ため息"含め多く登場。出る度、ドヤ感を勝手に感じてしまい苦笑😅読みやすくラスト全てをひっくり返す展開があるもののタイトルから共鳴出来ず🐕「ふ〜ん」2020/02/02
★Masako★
73
★★★ 内科医の蔵元指月が、自宅の部屋で遺体で発見された。側には「ため息に溺れてしまいました…」という遺書が。警察は自殺と判断するが自殺にしては不自然な点もあり、指月の妻・舞子からの依頼もあって刑事の羽木薫が再捜査をすることに。家族の抱える闇、指月の悲惨な過去と秘密が少しずつ絡み合い、ラストに明らかになる真実。とても読みやすいし先が気になる展開ではあるが、指月の秘密もすぐに予想出来たし自殺?に至った経緯も少し弱い気がした。中々進まない薫の捜査にもまどろっこしさを感じた。帯は相変わらず煽りすぎかな(笑)2018/05/29
えみ
66
構築されたすべてのストーリー、そして人物像が、ラスト数ページで崩れ去っていく。この自殺は全てを理解して初めて意味を持つ「自殺」になるのかもしれない。豹変する世界、180度変わる景色、悲劇がどこにあるのかさえ分からなくなるような…そんな衝撃と悔しさが入り混じった怒涛の一冊。気付かないうちに、溺れたため息のなかへ私も引きずり込まれていたみたいだ。誰からも慕われていた医者、美しい妻と認められた才能。それでも自殺をした彼に一体何があったのか。自殺を疑う妻の要請を受けて、再捜査を始めた刑事が覗いた秘密に目を見張る。2023/07/10
あっちゃん
66
地元の有力者の家に婿養子に入った優しく優秀な医師が「ため息に溺れてしまいました」と遺書を残して自殺、奥さんの強い要望で1人捜査をする事になった女刑事が主人公!警察ものの割には探偵もののような印象(笑)捜査は遅々として進まず女刑事もトラウマがあるようで抑圧された感じが平坦なイメージが否めない、まぁシリーズらしいので今後に期待( ̄▽ ̄)2022/11/11
とろこ
64
「ため息に溺れる」。ロマンス小説かのようなタイトルのミステリー。まず、帯で煽り過ぎ。そして、内容は色々と残念。つまらない訳ではないのだけれど、奥行きと深さを感じられなかった。地元の名士である蔵元家の養子である指月が自殺した。彼は眉目秀麗で心優しく、職員や患者からも慕われ、妻とも仲睦まじく暮らしていた。そんな彼が、何故自ら命を絶ったのか。彼の妻から、再調査の依頼を受けた警察は、羽木薫にその件を任せるが…。登場人物のため息の数は確かに多かったが、私は、読後にあくびが出ただけだった。2018/10/06