出版社内容情報
手には大型ナイフ、血まみれの着衣。殺人現場付近の監視カメラは敏腕検事・田島の衝撃の姿を捉えていた。絶対的な証拠が揃う中、田島は無実を訴えたきり口を閉ざす。田島の下で働いていた検察事務官・星利菜は、真相を明らかにするために彼と法廷で対峙するが……。島は本当に罪を犯したのか? 過去の冤罪事件に隠された、悲しき真実とは? リーガルミステリーの傑作、ついに文庫化。
内容説明
手には大型ナイフ、血まみれの着衣。殺人現場付近の監視カメラは敏腕検事・田島の衝撃の姿を捉えていた。絶対的な証拠が揃う中、彼は無実を訴えたきり口を閉ざす。田島の下で働いていた検察事務官・星利菜は、真相を明らかにするために彼と法廷で対峙するが…。ドラマ原作にもなった傑作ミステリー。
著者等紹介
大門剛明[ダイモンタケアキ]
1974年三重県生まれ。龍谷大学文学部卒。第二九回横溝正史ミステリ大賞とテレビ東京賞をダブル受賞した『雪冤』で2009年デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しんたろー
165
検察事務官・星利菜を主役にした殺人事件と過去の冤罪が絡んだサスペンスミステリ。テーマである「検察の正義&被害者加害者心理」は読み応えはある…が、星利菜が様々な事情があるにしろ優柔不断&八方美人で揺れ動き過ぎるのが主役として魅力不足だし、準主役・田島検事の心理や行動も頷けない部分が多くて、感情移入し辛いのが難点だった。「エース」と呼ばれる滝川検事にしても敏腕ぶりを描き切れていないので不満…大門さんは癖のある人物を巧く描く作家さんだが、本作では好みが合わなかったみたいで、内容も含めてサラッと読了してしまった。2019/08/22
アッシュ姉
79
現役の敏腕検事が殺人事件の容疑者に。絶対的な証拠が揃うなか無実を訴え口を閉ざした彼に下される審判とは。過去の事件からすべて繋がった真相に大きな驚きはなかったが、序章の人物は意外だった。さすが最後まで楽しませてくれる大門さん。正義とはなにか、人が人を裁くことの難しさに考えさせられたが、既読作と比べると少し軽い読み心地。主人公の検察事務官があっちこっちと思考も行動もフラフラしていたから、そう感じたのかもしれない。刑事の村上といい若手二人が魅力薄なのが惜しい。次は深町弁護士のシリーズを追いかけたい。2019/06/12
タイ子
70
冒頭から一人の検事がある事件の判決の責任を負って退職する場面から。彼は誰なのかが最後にきて判明するまで一気に読ませてくれました。検察事務官の星利菜が就いた検事が奇しくも3年前に殺された父親の事件を担当した田島検事だった。容疑者は刑務所内で自殺するも冤罪の疑いが出てくる。調べる中で田島が弁護士殺害容疑で指名手配されるという意外なストーリーに。人が人を裁く難しさ、検事としての矜持が正当化される時、もしそれが冤罪だったら…。ただ、星利菜の八方美人的な所が気にはなったものの面白く読了。2019/07/06
yomineko@ヴィタリにゃん
65
読み友様からのご紹介本です📙読んだのは単行本の方。凄い展開で予測が付かない!!!二転三転する。殺人犯として指名手配されている田島検事のいう事は真実なのか?自白の強要はあったのか。他の事件との絡み具合が読ませる。私が検察事務官なら一体どうするだろうか。田島を庇うのかそれとも正義を貫くのか!!!とても面白かった!!!2024/01/08
takaC
65
なかなか面白い話なので仲里依紗が星利菜を演じてたドラマがあまり面白くなかったのが裏目に出ないと良いが。2017/10/30