出版社内容情報
「可憐な少女をガラス箱にコレクションするのは万人の夢であろう」。多くの人々が「少女」に抱いた情熱にまつわる思索。〈巻末エッセイ〉朝吹真理子
内容説明
古今東西、多くの人々が「少女」に抱いた「情熱」に、さまざまな角度からメスを入れた思索の軌跡。
目次
1(少女コレクション序説;人形愛の形而上学;アリスあるいはナルシシストの心のレンズ;犠牲と変身―ストリップ・ティーンズの哲学;東西春画考 ほか)
2(ポルノグラフィーをめぐる断章;近親相姦、鏡のなかの千年王国;処女生殖について;ベルメールの人形哲学;ファンム・アンファンの楽園 ほか)
著者等紹介
澁澤龍彦[シブサワタツヒコ]
1928年、東京に生まれる。東京大学仏文科卒。マルキ・ド・サドをはじめ数多くのフランス文学を翻訳・紹介。その他中世の悪魔学(デモノロジー)、美術評論、文芸評論、独自の幻想小説など幅広いジャンルで活躍。『唐草物語』で泉鏡花賞、『高丘親王航海記』で読売文学賞を受賞。87年に死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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阿部義彦
23
過去に出てたのを著者没後30周年を機に改版したもの。後書きにあたる、巻末エッセイ(朝吹真理子)がそれに当たるのかなあ?私もこの機会に遅ればせながら澁澤龍彦さんに親しもうと思っています。この本では、三島由紀夫さんとの交流にも触れられています。澁澤龍彦さんの影響は今では漫画の世界に色濃く現れてますね。古屋兎丸さんの「アマネ+ギムナジウム」(球体関節人形)とり・みき&ヤマザキマリの「プリニウス」(博物誌)など、ゴスロリ等にも親和性が高くここまで影響を持ち続けているのは、上品な文体による所が大きいのではないか?2017/08/22
志波昌明
10
相変わらず澁澤龍彦の博覧強記ぶりに舌を巻く。知らないエピソードや書籍が次々に引用され、ヨーロッパだけではなく、日本の古典も出てくる。最後のマンドラゴラについての考察は圧巻だった。作者に連れられ、迷路に迷い混んだ感じ。知的好奇心を刺激される。2017/09/27
乃木ひかり
4
三島由紀夫との会話がたまらない。自分にとっては知識の洪水のようでなかなか前へ進めなかった。セーラー服と猥褻。2018/05/11
コウみん
3
美しいほど欲しくなる。最近、ロリコンなど児童を狙った犯罪が話題になっているが、天国にいる澁澤さんがこの状況を見るとどんな思いをするかと思った。 でも、後ろのページにはファンタジー的な内容が出てちょっと面白かった。2018/02/09
Kindman
2
やっぱりこの人はすごい!2019/05/13