内容説明
捜査一課への異動から一年。一之瀬は、新たに強行班へ加わった後輩の春山と共に福島へ出張していた。新橋で発生した強盗殺人事件の指名手配犯が県内で確保され、その身柄を引き取るためだ。楽な任務と思われたが、被疑者を乗せ福島駅に向かう途中、護送車が襲撃され―。若手刑事たちの奮闘を描く、書き下ろし警察小説シリーズ。
著者等紹介
堂場瞬一[ドウバシュンイチ]
1963年生まれ。茨城県出身。青山学院大学国際政治経済学部卒業。2000年秋『8年』にて第13回小説すばる新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いつでも母さん
127
大友鉄が登場するなんて、堂場さんサービス?更には鳴沢了が伝説の人として会話に登場。参りました、ハイ!で、今回の一之瀬くんは・・うん、一所懸命だ!それに尽きる。いいんだそれで。犯人や上司に振り回されている様な事も、それが自分の血となり肉となっていると思う。マネーミュールなんて私にはなんのこっちゃ?だけれども、愛する者の為なら手も汚す・・いや、犯人やっぱりダメだよね。一之瀬くん、深雪ちゃんや失踪したままの父との事、きっと次は何かが待っているのかな?なんて思っての読了でした。2017/04/26
KAZOO
124
堂場さんの若手の刑事の成長物語です。今回は福島県警の主人公と同期の刑事が活躍します。若手刑事を噛ませているせいか、話の内容も容疑者を奪還されてしまいます。他の警察ものと比べるとエンターテイメント性は薄いと感じますが、刑事の友情や結婚の話もあり人間的な側面が多いと感じました。2018/09/02
あすなろ
117
Qや大友が言う、独りでやれと。藤島は直接出てこない。それに象徴されるシリーズの新たな成長譚の開幕かな?後輩も上手く使い出し、城田とのチームワークを仕事上で考え、警察内での将来像を描く。シリーズ中1番のアクションシーンと共に。そして勿論、プライベートも充実していく。自分の勝手で深雪を泣かせない。カッコイイじゃん、一之瀬刑事。シメでは、深雪とどんな物語を刻んでいくかを自問自答する。次回、一之瀬刑事に逢うときには、ドイツから深雪が帰ってきてかな?新たな成長譚スタートで読み手の僕の心展開をも誘った一作だった。2017/07/16
ゆみねこ
91
かつてルーキーだった一之瀬くんも、中堅の風格?!春山くんという後輩とともに新橋で起きた強盗殺人事件の犯人を福島から護送する途中、まさかの犯人強奪。拳銃で命を脅かされた恐怖、失態を追求する観察への恐怖。福島県警に在籍する親友・城田とのコンビも復活したりで中々読み応えあり。次の巻が楽しみです。2017/08/21
旅するランナー
71
最初は単なる強盗殺人だった。間抜けな犯人もあっさり逮捕できた。でも、そこから深みに嵌っていき、右往左往する刑事たちの姿を描き切ります。犯罪小説でありながら、タイトルの“奪還”が愛の物語を意味する展開に切なさが溢れ出します。2017/06/30