内容説明
完結篇である本書3巻は冷戦の激化する一九五〇‐六三年が対象。当時の重要課題は対ソ政策のほか対日講和、朝鮮戦争、ドイツ問題、核問題などで、ケナンはこれらと向き合い時に具体的な政策を示す。また駐ソ大使時代、国外退去を命じられたエピソードも綴られ、激動の歴史を生きた姿を伝える。全巻索引収録。
目次
過渡期
朝鮮
極東
アメリカとの再会
ロシアと冷戦
モスクワ駐在大使
好ましからざる人物
引退
“マッカーシズム”
一九五七年リース講義
ユーゴスラビア―背景
ユーゴスラビア―対立
著者等紹介
ケナン,ジョージ・F.[ケナン,ジョージF.] [Kennan,George F.]
アメリカの外交官、政治学者、歴史家。1904年2月、ウィスコンシン州ミルウォーキー市に生まれる。プリンストン大学を卒業し25年に国務省入省。マーシャル国務長官に抜擢されて政策企画部の本部長を務め、47~48年の二年間、「ソ連封じ込め」を主柱とする冷戦政策を計画した。53年に国務省を退き、プリンストンで学究生活に入る。2005年没
清水俊雄[シミズトシオ]
京都大学文学部中退、1937年読売新聞社入社。53~55年ロンドン特派員等を経て、59~62年には外報部長を務めた
奥畑稔[オクハタミノル]
京都大学文学部卒業、1946年読売新聞社入社。52~54年ニューヨーク特派員、60~62年欧州総局長等を経て、62~67年に外報部長を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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大森黃馨
8
「ソ連は遂には殲滅滅ぼすべし」冷戦期における西側人間のこれが一般的な考えだと思うがケナン氏のそれは割り切っていてとても冷徹だ ただ最後は1963年で終わっているケナン氏は冷戦の終了やその後の世界更にはユーゴ内戦やイスラム勢力台頭をどう思いどう判断しただろうそして今日のロシア復活を予測していただろうか世界はどうなるか推測は如何なものだっただろうか氏の他の後年の著作も手にして紐解かねば 2024/02/20
蟹
2
ケナンはついに駐ソ大使にまで上り詰めるが、彼らしい事件によってあっけなくその任を終えることになる。まぁ、もともとつなぎだったんじゃないかという気もするけど。かつての米ソ冷戦の厳しさは、彼が解任されるに至った発言にも見て取れるのではないだろうか。そしてユーゴスラビア大使としてのエピソードはさらに悲しい。彼のアイゼンハワー評、そしてケネディへのミーハーなまでの好意は少し意外だった。朝鮮戦争と対日単独講和の関係については異論もあろうが、米国にとってもまた単独講和が一つの重大な選択であったことを認識させられる。2018/05/20
maghrib
0
プリンストン高等研究所からソビエト駐在大使,ダレス国務長官との確執を経て外交官引退,ケネディ政権の元でのユーゴスラビア駐在大使まで.ソビエトでのトルストイの秘書と交流の思い出がよい.その他マッカーシズムにへの対応,ソ連とNATOに関する報告における軍事的アプローチと政治的アプローチのバランスなど.2017/11/03
Dwight
0
読みますた。