中公文庫<br> 駅の社会史

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中公文庫
駅の社会史

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  • サイズ 文庫判/ページ数 241p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122061965
  • NDC分類 686.53
  • Cコード C1121

内容説明

夏目漱石『三四郎』冒頭の名古屋駅、「勝負に打って出る玄関の駅」と言った升田幸三の大阪駅、出征・帰還の軍用列車が発着した品川駅…。明治初年の岩倉使節団で久米邦武が見出したように、「駅」は近代文明の本質を表わす場となった。大衆化・大量化する鉄道とともに変貌していく駅の姿を辿り、鉄道史から近代をとらえ直す。

目次

はじめに―二つの「文明開化」の眼から見た駅
1 馬の駅から汽車の駅へ
2 大衆化・大量化現象の先駆―近代化の先取り
3 利用者の要求への対応―駅の改良
4 改良挫折の要因―戦争と駅
5 移動の拠点と公共の空間―戦後の駅

著者等紹介

原田勝正[ハラダカツマサ]
1930年東京生まれ。53年東京大学法学部卒業。専攻は日本近代政治史、鉄道史。61年から日本国有鉄道総裁室修史課嘱託として『日本国有鉄道百年史』の編纂に従事。和光大学経済学部教授、のち同大学名誉教授。鉄道史学会初代会長。2008年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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浅香山三郎

9
日本の近代にとつての鉄道駅とは、といふテーマで、ターミナル駅の歴史、貨物の役割、駅の構造の改良といふ具体例を論じる。客貨分離・軍・戦争・市民社会・郊外の市街地化など、日本の近代社会・体制が整備されたことによる鉄道の対応が、公刊された鉄道史研究書・社史・公文書のみならず、文学作品などをも援用して叙述されてゐる。この鉄道の対応といふことの具体例が駅の高架化や駅の拡張などの技術的な要素を含むが、その辺りを正確に書かうとする著者の堅実なスタイルが滲み出てゐる。2022/07/08

iwasabi47

2
読友さんより。87年刊。JR前までの駅の話。細部は追い切れないが、文学史文化史の話は面白い。昔よく行ったJR元町のデザイン。久しぶりに行こうかな。2022/12/10

shonborism

2
親本は国鉄民営化の頃に書かれたもの。著者が健在であったなら、今の鉄道をどう評価するかなあ。2016/01/10

ともり

0
駅の「公共性」なんかを考えなければならなくなった際に、その歴史性を捉え直す必要があるようだったら再読したい。本書では都市における駅が主に取り上げられていたが、「都市的な駅」と「地方部における駅」の持つ意味は全てが重なるものではないのではないかとふと感じた。それは都市⇔地方の単純な二分法によるものなのかそうではないのか考えてみたい。2022/04/07

Takahide✈Yokohama

0
2008年に亡くなった原田さんの本。宮脇さんが父親と一緒に米坂線の今泉駅で玉音放送を聞いたことは良く書かれているけれど、日豊線の竜ヶ水駅では玉音放送があること自体伝達されていなかったが玉音放送前に降伏の情報が回っていたいうのは面白い。2018/10/22

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