内容説明
「料理は真心と注意が第一」。高級な食材を使わなくとも少しの工夫で格段に上等な食卓になる。野菜の見分け方、肉の部位による味の違い、旬の魚の選び方、調味料の使い方―。“天皇の料理番”が、家庭の食卓に向けて、長年の経験に基づく料理のコツを伝授する。
目次
はじめに
材料の選びかたと調理のコツ
西洋野菜
香辛野菜
乾物
獣肉類
鮮魚
月々の魚
調味料
むかしと変わらぬ料理のコツ
著者等紹介
秋山徳蔵[アキヤマトクゾウ]
1888(明治21)年福井県武生生まれ。1904(明治37)年、華族会館料理部に入り、築地精養軒、三田東洋軒を経て、1909(明治42)年渡欧、フランスで料理を修業、1913(大正2)年帰国、同年宮内省大膳寮に就職、厨司長、初代主厨長となり、大正、昭和の二代天皇家の食事、両天皇即位御大典の賜宴、宮中の調理を総括した。1971(昭和46)年フランス料理アカデミー名誉会員、パリ調理士協会名誉会員、フランス主厨長協会会員となった。1972(昭和47)年辞職、宮内庁御用掛となった。1973(昭和48)年、勲三等瑞宝章綬章。1974(昭和49)年没。享年85歳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たっきー
12
元々は1959年に刊行されたもの。タイトルがずばりの作品だが、よい食材の見分け方も参考になったし、調理のうえでのコツが良かった!白味噌は摺り溶かす、魚を煮つけるとき立て塩に浸けてからすると煮崩れしづらく魚同士もくっつかない、魚は左側の身がおいしいなど・・・いろいろ知らなかった。時代が変わっても基本的な料理のコツや気を付けることは変わらないな。2015/11/30
BEAN STARK
10
「天皇の料理番」の主人公の本。日本ほど魚に恵まれている国は、世界じゅうどこへいってもない。鮮魚の選び方。第一に全体のきりょうをみる。第二に目を見る。第三にえらを見る。第四に指で腹を押してみる。弾力のあるものは新しく、グニャリとするものは古い。臭いを嗅ぐのも大事。魚は通常頭を左にして置くので、当然右の身はダメージがある。半身だけ買うなら左身の方が賢い買い方。ノジメ、イケ、イケジメ、イケアガリという言葉を知った。2016/06/19
放蕩長男
2
天皇の料理番が語る、料理のコツ集。調理の仕方と共に、食材の選定も料理の大事な要素であると前置きし、食材ごとの解説と取り扱いのコツを書いている。一言で言えば、一流料理人が語りかけてくる、食材辞典。素晴らしい。2015/10/11
大井 洋平
1
素材の選び方と下拵えがコツ。 難しい言葉使いはほとんどないので読みやすい。2020/01/29
氷菓子
1
良い素材を選べば、料理の半分以上は成功と言って良い。良い食材の選び方は、新鮮で、色や形の良いもの。旬のものを使う事。様々な食材の質の見分け方も書かれているが、本書が執筆されてから何十年も経っているので、それを誤魔化す悪徳技術も発達してそう…。あとは素材を活かした調理法、手際のよさ、道具の良さ、火加減、味加減、盛り加減なども大事だけれど、身につけるにはやはり場数を踏むのが最も良い。2019/11/23