内容説明
東京と秋田で、トリカブトによる毒殺事件が発生。手口に一貫性がなく、同一犯か複数犯か絞れず捜査は難航していた。その最中、耳や手首が切り取られた惨殺死体、銃殺死体が東京近郊で相次いで見つかる。すべての現場に残る同一人物の指紋から、SRO室長の山根新九郎はある仮説を立て犯人に迫っていく。大人気警察小説、待望のシリーズ第六弾。
著者等紹介
富樫倫太郎[トガシリンタロウ]
1961年、北海道生まれ。98年に第四回歴史群像大賞を受賞した『修羅の跫』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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absinthe
191
これも面白く一気読み。猟奇犯罪捜査課と名称を変えたほうがよさそう。急にメンバの家族や私生活が明かされだして、より親しみがもてる展開。ということは次巻で家族が標的にされるのか?・・・やな予感がする。多重人格という副題だが、犯人は多重人格とはいえない。交代人格のやったことを自覚している。殺人鬼ではあるが、気分で性格が代わる変な人に過ぎない。この程度で多重人格なら麗子だって自室と外で性格が異なる多重人格になる。(病名としての多重人格はすでに無くなった。)2019/01/28
おしゃべりメガネ
140
約4年ぶりに読んだシリーズ6作目です。今回はこれまでとは全く違ったシリアルキラーが登場し、新たな展開が楽しめました。SROの面々も前作で色々とありましたが、本作でもある意味元気?な姿を見せてくれています。特に「尾形」さんと「針谷」さんがいい感じにキャラを出してくれています。これまでの近藤房子とは違うシリアルキラーの登場で、ちょっとした番外編のような感じがします。新作も既に発刊されているので、引き続き楽しみなシリーズですね。やっぱりそれなりにグロい描写はあるので、万人にはオススメできないのが残念?ですね。2017/07/27
のり
121
SROシリーズの第六弾。Ⅴを読んでだいぶ時が空いたがキャリア揃いのメンバーの印象が強い為に、すぐに記憶が甦る。今作のシリアルキラーも相当にヤバい。毎回難敵な犯人。プロの殺し屋で、冷静かつ残忍。心身共に傷を負っていたSROメンバーも徐々に復職して、本来の姿に戻りつつある。普段穏やかな室長の山根が、キレると怖い事が判明。芝原の強さや、尾形の下品さも健在。やっぱり好きなシリーズだ。2018/05/22
KAZOO
107
久しぶりにSROの続編が出ました。もう前回で終わりなのかと思っていたのですが。シリアルキラーがまた出現して、主人公の活躍で解決はするのですが。多重人格犯罪者についてはつい先日「黒のクィーン」などドイツのミステリーを読んだばかりですが今はやりなのでしょうか?期待に応えてくれる作品です。まだ続くのでしょうか?2015/10/02
セウテス
97
SROシリーズ第6弾。今回は、トリカブトの毒を用いて、自然死に見せかけ殺人依頼を遂行する犯人。この犯人、プロの殺し屋業務の合間に、個人的な感情から殺人を行うシリアルキラーである。その事が災いして、警察に事故死ではなく殺人だと疑われ、反対に雇い主から自分も命を狙われる。このシリアルキラーと殺し屋グループとの戦いは、警察小説にはない激しさがある。しかし副題の四重人格からは、人格の違いによる特別さがもっと大きく欲しかった。SROのプロファイリングも今一つで、彼らの私生活を描く位なら、謎解きに力を入れて欲しい。2019/08/15