内容説明
ユモレスカとは、ユーモア雑誌などに掲載された読み物のこと。依頼者の要求は二つ。滑稽であること、短く書かれていること。チェーホフは色々な媒体からたくさんの注文を受けた。そして、ありとあらゆる職業、社会階層、素性の人を取り上げ、小説手法上も様々な実験を行った。チェーホフ文学の源泉ユモレスカは、今も読者の心をとらえてやまない。
著者等紹介
チェーホフ[チェーホフ]
1860年、ロシア生まれ。モスクワ大学医学部を卒業し医師となる。1904年、療養中のドイツで死去するまで、44年の短い生涯に、数多くの名作を残す
松下裕[マツシタユタカ]
ロシア文学者。1930年、朝鮮鎮南浦府生まれ。早稲田大学ロシア文学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
刳森伸一
6
4冊目のユモレスカ集。1冊目から数えれば、かなりの作品数に上るのにほとんどハズレがないのはやはり驚異的。世の人の複雑さを暴くユーモアの真髄がここにあると思う。2018/09/01
TomohikoYoshida
3
新潮文庫から続くチェーホフ・ユモレスカの最終巻。最初のコントラバス物語がよかった。2019/02/24
relaxopenenjoy
3
チェーホフ若い頃の短編集。「災厄」「初舞台」がお気に入り。自分の知識の無さか、オチが理解できない話も何篇かあったけれど、雰囲気で楽しむ。ヴォトカ、カルタ、肩章、イクラ、ダンス、馬車、…なんて活き活きとした描写だろう!たとえそれが陰鬱な場面や悲しいシーンであっても。2017/12/22
Ribes triste
3
チェーホフおかわり。こちらも面白かったです。また他の本も読みなおしてみたくなる。やみつきになります。2015/05/31
ムツモ
2
くすり、にやりの短編集。「唯一の手段」「クリスマスの夜」「闇にまぎれて」辺りが特に好き。この頃のロシアが階級にうるさかったことも良く分かった。2015/09/10