内容説明
草津では小林一茶が江戸との往復時に立ち寄り俳句を詠んだ。熱海を訪れた中級武士たちは新鮮な海の幸に感激してグルメ三昧、弁当を持って寺社参詣にでかけた。道後・有馬などの大歓楽地では、小金のある連中が名産・名物を買い漁り…。古代の湯浴みから始まり江戸期に急速に広まった温泉文化の有り様や魅力を語る。
目次
1 温泉を楽しむ人々(温泉での楽しみ;温泉への旅人たち)
2 温泉の風景(温泉地は変わる;湯宿と浴場;湯治という生活習慣)
著者等紹介
鈴木一夫[スズキカズオ]
1935年生まれ。60年、出版社に入社し、社会科学分野の書籍編集に従事。86年、出版プロダクションを設立。90年頃より個人として、雑誌寄稿・書籍原稿執筆を開始する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HANA
52
江戸時代の温泉について論じた一冊。前半は小林一茶や菅江真澄をはじめ、有名無名問わず温泉を訪れた人と足跡を記している。著名人が面白いのは当然だが、地方の藩の中流武士や農民も生活に即していて実に面白い。後半は当時の温泉の様式について。現在と比べて流出量の問題とか交通手段の問題、浴槽の様子や宿泊手段が興味深く読める。都会人にとっては一大旅行でも近隣の住民にとってはありふれた行事であったり、休みを取る様子、湯治の模様なんかは現代とあまり変わっていないなあ。読んでいると徒然なるままにゆっくり湯に入ってみたくなった。2016/06/24
sawa
10
★★☆☆☆ 文章がちょっと読みづらい。江戸時代に湯治旅行に出かけられる人は裕福だったという事、庶民は湯治場で大騒ぎだったが教養人はそれを疎ましく思っていた事、男女混浴の混みあった温泉もあった事、といったところでしょうか。(図)2014/11/18
yuri_azucena
1
普段風呂場で読書はしませんが、本書に限ってはシワシワになるのを覚悟で風呂場読書。当時のお風呂事情あれこれ、生活の中の湯治の様子など。いつかこれくらい腰を据えて湯治に出てみたいものです。2019/09/10