内容説明
「伝統」と「革新」が同居する街―京都花街。私たち日本人が惹かれるはんなりとした風情やその優雅なおもてなしは、どのように三五〇年以上も続いてきたのか。これまでベールに包まれていた「秘密の世界」のしかけを、気鋭の経営学者がフィールドワークによって解き明かした力作。
目次
第1章 京都花街とは―業界の特徴と規模
第2章 芸舞妓さんとお茶屋と置屋―高度技能専門職の女性たち
第3章 一見さんお断り―三五〇年続く会員制ビジネス
第4章 舞妓さんの一生―徹底したOJTによるキャリア形成
第5章 お財布はいりまへん―分業制度と取引システム
第6章 花街の評価システム―成果主義と三六〇度評価
第7章 女紅場―働きながら学ぶ仕組み
第8章 京都花街の経営学―「おもてなし」の事業システム
著者等紹介
西尾久美子[ニシオクミコ]
京都女子大学現代社会学部教授。京都市下京区で数代続いた米穀商の家に生まれる。京都府立大学女子短期大学部卒業後、大阪ガス株式会社勤務を経て、2001年滋賀大学経済学部卒業。2006年神戸大学大学院経営学研究科博士課程後期修了。博士(経営学)。神戸大学大学院経営学研究科助手、同COE研究員を経て、2008年4月より京都女子大学現代社会学部准教授。2013年4月より現職。専門は経営組織論、キャリア論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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京都と医療と人権の本棚
感想・レビュー
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勝部守
3
文庫化。単行本が、出版された時より、舞妓さんも芸妓さんも減っている。花街は、おもてなしの本家だ。2014/05/03
鮒ひと箸
0
★★★★★2017/04/28
寺内町亭小天狗
0
京都・花街といえば、芸舞妓の街です。彼女とお座敷で遊ぶ!?には、誰かの紹介がなければ席につくことができない。「一見さんお断り」という決まり事があるからです。運良く遊べることができたとしても、花代=(置屋からの移動時間+お座敷時間)×各芸舞妓の時間単価、と料理代が要る。楽しいひとときの支払いは、数ヶ月先に請求書が届く。京都・花街の”おもてなし”とは、筆者の言葉を借りると、《マニュアル通りでなく、人が人を気にかける「思いやりの情(こころ)こそが、京都花街という業界全体を支えている指針である》という。2014/05/04
Conji
0
AKBに通じる人材確保、育成の仕組みに、なるほど。2014/04/27
Schu
0
花街に行ってみたくなりました。ロジカルな仕組みは当然ありません。おもてなしは変幻自在か?2014/04/26