内容説明
バルトークが、自身の音楽的技法と思考を凝縮したピアノ教則本「ミクロコスモス」。その精神に敬意を表し、二十一世紀の「ミクロコスモス」たらんとするエッセー・シリーズ。いずれのテクストもモナドであり、それぞれが著者の思考の全体を映し出す。世界の単純な理解を拒み、この世の出来事を複雑で深いままに理解しようとする美しい実践。
目次
夜の知恵
土器のなかのスローフード
孤独な構造主義者の夢想
二十一世紀に読む『悲しき熱帯』
常識に抗して書かれた福音書
超核の神話 岡本太郎について
哲学の後戸
人類普遍の学
心のトポロジーとしての建築学
芸術人類学研究所を開く
著者等紹介
中沢新一[ナカザワシンイチ]
1950年山梨県生まれ。明治大学野生の科学研究所所長。思想家・人類学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NагΑ Насy
7
ちょっと久しぶりに読み返したとおもったら、前に読んだのはもう1年前なのだった。「哲学の後戸」伊勢神宮のうちとそと、プラトンの哲学とディオニソス。トランスを内側にまるごと呑込むという仕方について。豊宇気毘売(トヨウケヒメ)神。 2015/05/03
ひろみ
7
こういう読書を疎かにしてはいけないなと思った。有限の時間の中でまるで無限とも思える書物と向き合う時、食指として働いてくれるのはこんな読書体験だったりするし知識だったりする。専門家でも学生でもないので、広く無理ない程度に深く続けていけたら世界が豊かになりそう。視界が変わる。読書を編集していく視点も変わるし、つながりに気づくことでまた新たに出会うこともできる。2014/03/15
生活相談屋
4
久しぶりの中沢新一本。この人のスタンスは本当に若い頃から変わらない。手を変え品を変えながら、ずっとひとつのことを言っている。世界とは何か?人間は何者か?僕の大好きな学者であり続けてくれる。2014/09/29
madofrapunzel
4
★★★★☆ 短篇集。「孤独な構造主義者」が特に素晴らしい。レヴィ=ストロースと構造主義ブームの思想は厳格に区別されるべきであり、僕はまたレヴィ=ストロースの思想・態度をしっかりと勉強したいと思った。中沢新一はやはりスターなのである。賛否両論な気もするけど笑2014/03/12
アルゴス
2
中沢新一のエッセイ集。なかでも日本の中世神道の理論の誕生を、野蛮が文明を食い尽くす「境界的グノーシス学」として読み込む「哲学の後戸」が面白い。中沢の良さはこうした文明横断的な視点にある。2017/11/10
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