内容説明
助からないケースのほうが多い「小児固形がん」。小児外科医の筆者は、闘病する子どもたちや患者家族と濃密なやりとりを重ねながら、どんな治療を施し、その過程で何を考えてきたのか?そして、自ら突然の病に冒されたとき、キャリアの途上で下した決断とは?生死に対して、真正面から向き合った、輝く命の記録。
目次
第1章 初めて見る死
第2章 敗北し続けることの不安
第3章 病棟へ帰れ
第4章 普通とは違う道
第5章 死は存在しない
第6章 不安と祈りの中で
第7章 自分の死
第8章 再生する家族
第9章 最後の患者
第10章 そして永遠を生きる
著者等紹介
松永正訓[マツナガタダシ]
医師。1961年、東京都生まれ。87年、千葉大学医学部卒業、小児外科医となる。小児がんの遺伝子研究により医学博士号取得。一九年間で二〇三人の小児固形がんの子どもたちと共に闘った。2006年より、「松永クリニック小児科・小児外科」院長。13年、第二〇回小学館ノンフィクション大賞受賞作『運命の子・トリソミー』を刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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活字の旅遊人
32
辛い話、難しい話を、優しい(易しいではなく)表現で、じっくり語ってくれる。そんな文章だった。子どもが病気と闘う。母、そして外科主治医のドラマ。外科系の医者に対し、手術がダメならまあ、諦めるか。的な印象を持つことも多いのだけど、松永先生は違う。自身の病気も影響しているとは思うが。そしてこういう心境に達した外科医はやはり、メスを置いたり、研究を止めているような気がする。いや、あくまでイメージだが。病や死と向き合うこと。それを共有すること。子どもとの、家族との日常を大切にして生きていこうと思わせる本だった。2021/05/18
真朝
6
読んでいて、沢山の子供達が亡くなっていくのが読んでいて辛かったです。でも、小児がんという存在を今までよりちゃんの知ることが出来たと思いました。 今、この時も生死をかけて病気と戦っているお子さんが沢山いるんだと思うと心が痛かったです。2017/05/06
chiekotosena
4
息子2人が障害児です。この本を読んでいる時に、子供たちが絡んできたのに軽くあしらってしまった。あとがきでの里佳子ちゃんのお母さんの言葉が胸に刺さった。「明日があるって誰がきめたんですか?」今日は息子たちが笑顔になれるよう精一杯の母になろうと思った。2014/08/30
ゆかり
4
闘病に耐えた子供達も強いけれども、その子供達のそばにいつも寄り添っているお母さん達の強さにも脱帽です。2014/05/09
ユミ
4
すごくよかった。第一線の医師だった本人の著作ということでリアルな経過が書かれているが文章はとても読みやすい。涙涙。2014/03/02
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