出版社内容情報
北条早雲に見出された風間小太郎。軍配者となるべく送り込まれた足利学校では、互いを認め合う友に出会い――。新時代の戦国青春エンターテインメント!
内容説明
世は戦国、領民たちから「韮山さま」と慕われている伊勢宗瑞こと、北条早雲。彼に見出された少年・風間小太郎は、伊勢家の未来を担う軍配者となるべく、足利学校に送り込まれた。そこでは兵法・占術・医術・観天望気―戦国大名のブレーンに必要な学問に励む傍ら、生涯のライバルたちにも巡り会う!新時代の戦国青春エンターテインメント。
著者等紹介
富樫倫太郎[トガシリンタロウ]
1961年、北海道生まれ。98年に第四回歴史群像大賞を受賞した『修羅の跫』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
314
早雲シリーズが思いのほか良かったので再読。上巻は北条早雲第五巻とかなり多くの部分が重複しており、するする読了。他作とのリンクという点では、北条家の面々が登場する第一部が重要になるが、話の盛り上がりとしては、二部で小太郎と十兵衛が足利学校に向けて旅立ち、四郎左と出会ってからがいよいよというところ。すっかり忘れ去っていたが、そういえば山本勘助はこんな設定だったなと、朧気ながらに記憶が甦ってきた。先の展開を知ってから読んでみると、この時点で鷗宿が一際存在感を放って見え、作者の思い入れを感じる。2021/06/14
mapion
258
主人公は北条氏に仕えた風魔小太郎。でかくて速くて強くて怖い忍者で出てくることが多いですが、ここでは占術のできる采配で軍を動かす軍配者。上巻では北条早雲に見いだされ、当時最高の教育施設だった足利学校で学ぶことになる。そこで知り合った若者たちも、仕える武将は違うがのちに軍配者となる者たちだった。戦国時代を背景にしたほぼフィクションの時代小説。作中早雲(早雲庵宗端)が民を思う素晴らしい為政者として描かれ、年貢は「四公六民」だったというのは本当のことらしい。主人公より早雲に興味が湧き、読みたい本が増えました。2025/08/16
yoshida
188
読友さんから紹介頂いた軍配者シリーズ。いよいよ読み始めました。物語の一つの鍵は「足利学校」。軍配者を養成する「足利学校」を初めて知る。16世紀初頭から中期かけての日本の学府が「足利学校」だった。伊豆・相模を手中にした伊勢宗瑞こと北条早雲は、孫である千代丸を補佐する軍配者を養成すべく才気煥発な風間小太郎を足利学校で学ばせる。北条100年の栄華を見据える早雲の慧眼を見る。小太郎は「山本勘助」こと四郎左、仇敵扇谷上杉家の曾我冬之助、越後長尾家の景岳と出逢う。一時、恩讐を忘れ励む小太郎達。これからの展開に期待大。2017/09/05
あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...
117
ずっと気になってたシリーズもの。上巻は北条早雲に目を掛けられた小太郎が足利学校で兵法等の修行を始めたところまで。意外なライバルの登場に下巻への期待が高まる⤴2019/06/23
再び読書
77
あまり知らない北条早雲に興味があるので、読んでみました。早雲の事が少しわかり面白く思いました。また、軍配者と軍師の移り変わりがわかり、興味深かった。小太郎の命を狙う風間六蔵の冷たさが、戦国のならいとは言え、少しい嫌な気持ちにさせられる。また謎の人物、山本勘助に対する新たな出自が興味深い。これが「信玄の軍配者」に繋がるのか想像してしまう。無事難を逃れ足利学校で勉学に励んでいく。これからの彼らが楽しみ。2016/07/18