出版社内容情報
いよいよ「天子」として立つ劉秀。その磁力に引き寄せられるように、多くの武将、知将が彼の元に集結する。臣を重んじ、民に寄り添った光武帝の後漢建国の物語、堂々完結。
内容説明
幾多の困難な戦いにおいても、劉秀の周りには、磁力に引き寄せられるように名将が集まり、天下統一をたすけてゆく。臣下への思いやりを忘れず、民に寄り添った名君・光武帝。最も平凡に見えて最も非凡な天下統一の物語、全三巻堂々完結。
著者等紹介
宮城谷昌光[ミヤギタニマサミツ]
昭和20(1945)年、愛知県蒲郡市に生れる。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。その後帰郷、執筆活動に取り組む。平成3年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。5年『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、12年には第三回司馬遼太郎賞、13年『子産』で吉川英治文学賞、16年菊池寛賞を受賞。18年、紫綬褒章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ふじさん
87
10年ぶりの再読だが、最後まで読むのに苦労した。他の宮城谷昌光の作品に比べて、難しく感じた。年のせいか?、電子辞書を傍らに置いて読み進む。多くの困難を乗り越え、いよいよ天子として立つ劉秀。彼の周りには、その磁力に引き寄せられるように多くの武将、名将が集まる。彼らを巧み使い分けて空前の群雄割拠の時代に、天下統一を成し遂げる。臣下への思いやりを忘れず、民に寄り添った名君・光武帝。宮城谷昌光好みの人物、最も平凡に見えて最も非凡な才能を持ち、颯爽たる事績を残した光武帝の天下統一の物語。2023/10/03
はっせー
75
めっちゃ面白かった! 劉秀がいかに天子となったがよく分かった! 最後がやや急ぎ足ぎみになっていたが内容的には頭に入った! 劉邦 劉秀のことがよく分かったので次は三国志を読もうとおもったのである!2019/01/21
KAZOO
72
後漢の始祖ということで名前だけは知っていましたが、光武帝をうまく3巻の本に作り上げてくれて、どのような人物であったということを楽しませてくれた手腕はやはり司馬さんに通じるものがあります。当時の風習や民衆の考え方などもわかりやすく取り入れられています。さらに光武帝の人物や思想というものがよくわかりました。2015/08/08
紫陽花
41
秦の始皇帝、項羽と劉邦、三国志の曹操、劉備、孫権と比べるとマイナーな後漢の光武帝。人徳者ですね。本人だけでなく、皇后となる妻の陰麗華やその兄弟までも謙虚ですね。外戚が権勢を誇り、国を滅ぼしてしまう例は沢山ありますが、このように謙虚な姿勢に徹するのも珍しいですね。宮城谷の本にしては、人と人との濃密なやり取りの表現が少なく、歴史的な事実の羅列的な記載が多いのがちょっと残念ですが、面白く読ませていただきました。2021/05/26
姉勤
34
劉秀が漢を再興し光武帝となる。下巻は上・中巻の答え合わせと、周辺の人物との小エピソード的な面が強い。光武帝という偉人というか超人の話かつ、対する極悪人(王莽ですら表現が優しい)が登場しないので、勧善懲悪の部分でもフックが個人的に少ない。ユーラシアの殺し合いの作法を外れている(もしくはその部分が少ない)ので、出てくる漢字のかなり難しい児童書偉人伝にも見える。2023/04/27