出版社内容情報
洋式小銃の導入は兵制を変え軍隊の近代化を急がせた。洗濯機の登場は主婦に家事以外の時間を与えた。新技術の導入は日本社会の何を変えたのだろうか。
内容説明
幕末明治、洋式小銃の導入は軍隊の近代化を急がせた。戦前、電車や自転車、ラジオは庶民の生活を一変させ、戦後、洗濯機の登場は主婦に家事以外の時間を与える…。その他、活版印刷、人力車、時計、蒸気ポンプ、板ガラス、プロパンガスなどの「新技術」が日本社会を変えていった過程を詳述する。
目次
1 維新の技術(洋式小銃;活版印刷;人力車)
2 産業革命と生活(時計;蒸気ポンプ;板ガラス)
3 大衆の技術革新(電車;自転車;ラジオ)
4 家庭生活の変容(洗濯機;プロパンガス)
5 新技術の社会誌
著者等紹介
鈴木淳[スズキジュン]
1962年東京都生まれ。86年、東京大学文学部国史学科卒業。92年、同大学大学院人文科学研究科博士課程修了。同大学助手、助教授、准教授を経て、2013年から東京大学文学部・大学院人文社会系研究科教授。日本近代史専攻。著書に『明治の機械工業』(ミネルヴァ書房、中小企業研究奨励賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hiroshi
5
幕末・維新期の①洋式小銃、②活版印刷、③人力車と、企業勃興期の④時計、⑤蒸気ポンプ、⑥板ガラス、明治末期から戦前の昭和までの⑦電車、⑧自転車、⑨ラジオ、戦後の⑩洗濯機、⑪プロパンガスを見ていき、その時代を生きた多くの人々の暮らしを見ていく本。①洋式小銃の製作には新たな技術が必要だった。ペリーが来航すると銃の需要が高まり、各藩は鉄砲鍛冶以外の鍛冶も集めて藩の工場で銃を製作した。その結果国内の鉄工技術の向上があり、以後の鉄工業の裾野を拡大したし、洋式調練を習得した足軽が隊長になり、伊藤博文のように首相になる。2025/05/12
plegiussalignis
0
技術の大規模な一般の受容は思想・考え方の変化なくしてはあり得ないのかもしれない。2013/12/11
kawasaki
0
新たな技術が社会を変え、新たな社会がまた新たな技術を普及させる。扱われているのは洋銃、人力車、活字、板ガラス、プロパンガスなど。いずれも興味深かったけれども、欧米諸国と比較して突出して普及が速かったという電気洗濯機のくだりが面白かった。2013/10/24
-
- 電子書籍
- 青蛇の赤い月【タテヨミ】第48話 pi…